熊本の豪雨災害から1年 各地で追悼式

去年7月の記録的な豪雨で熊本県で甚大な被害が出てから4日で1年となり、災害関連死を含め21人が亡くなった人吉市では4日午前、追悼式が行われました。

午前10時から始まった追悼式には、犠牲になった人の家族などおよそ30人が参列し、はじめに全員で黙とうをささげました。

そして人吉市の松岡市長が「二度と犠牲者を出してはならないと決意し、最善の努力を続けていくことを誓う」と述べました。

続いて蒲島知事が「知事としてどうして被害を防げなかったのか、自問自答を繰り返してきた。誰ひとり取り残さないよう、被災地の創造的復興と心の復興に取り組むことを強く誓いたい」と述べました。

このあと遺族を代表して、人吉市の実家に暮らす両親を亡くした北九州市の西村直美さん(52)が「『もっと早く帰ってあげればよかった』と何度も後悔しました。残された者として災害が起きる前のような自然豊かで美しい町に復興させていきます。私は決して諦めません」と決意を述べました。

最後に参列者が祭壇に花を手向けて手を合わせ、犠牲者に祈りをささげました。

熊本県内では4日、各地で追悼の祈りがささげられます。

追悼式に参加した男性「気持ちはまだ日常には戻らず」

熊本県人吉市の追悼式に参列した永尾禎規さん(57)は、去年の豪雨で人吉市紺屋町の自宅が浸水し父の誠さん(88)を亡くしました。

永尾さんは「1年間、あっという間でした。父を助けることができなかった後悔は今もあります。1年たっても復興がまだまだの状況なので、残った者の使命として命あるかぎり復興に力を尽くしていきたい。頑張って復興するから、安らかに眠ってくださいと伝えたいです」と話していました。

また、人吉市下青井町でひとり暮らしをしていた父の川上博久さん(67)を亡くした長男の正晃さん(38)と次男の晃弘さん(35)は「気持ちはまだ日常には戻りません。亡くなった場所は父が生まれ育った場所だったので、安らかに眠って、一緒に亡くなった愛犬と一緒に僕らを見守っていてほしい。いつか父がしていた林業の会社を継げたらと思います」と話していました。

八代市坂本町でも追悼式

去年7月の記録的豪雨で大きな被害を受け、4人が亡くなり、いまも1人が行方不明となっている八代市坂本町で4日、追悼式が行われました。

追悼式は午前10時から坂本町の坂本中学校で行われ、遺族や市の関係者などおよそ50人が参列しました。

はじめに全員で1分間の黙とうをささげたあと、熊本県の田嶋副知事が「被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げ、一日も早い復興を果たすことを誓います」と述べました。

続いて遺族を代表して、叔父を亡くした蓑田政晴さん(70)が「叔父はよく球磨川であゆを釣っていましたが、親しんでいた川に流されてしまう結果となり、いまも胸が張り裂ける思いです」と述べ、追悼しました。

最後に、参列した人たちが祭壇に献花をして犠牲者に祈りをささげました。

ひとり暮らしの妹を亡くし、兵庫県から参列した姉の水口章子さん(71)は「1年たっても、妹の写真に毎日話しかけたり携帯電話に録音されていた声を聞いたりしています。妹とは2歳の年の差でしたが、妹の亡くなった年と自分の年の差が開いていくのが悲しいです」と涙を拭いながら話しました。