静岡 熱海の土石流 新たに13人救助 安否不明者の把握難しい

静岡県熱海市の伊豆山地区で発生した土石流で、現地では4日も小規模な土砂崩れが起きて救助活動は時折、中断しながら進められました。熱海市では4日新たに13人を救助した一方、安否が不明な人を正確に把握するのは難しいとして、住民基本台帳の登録をもとに確認を急ぐことにしています。

静岡県によりますと、3日午前10時半ごろ熱海市伊豆山地区で発生した土石流は逢初川沿いに海までおよそ2キロにわたって流れ出たとみられ、少なくともおよそ130棟の建物が被害を受け、これまでに女性2人の死亡が確認されました。

現地では4日早朝から警察や消防、自衛隊などが1000人態勢で救助や捜索活動を始めましたが、熱海市内では断続的に弱い雨が降り、上流で小規模な土砂崩れも起きたため、活動は時折、中断しながら進められました。

熱海市や県によりますと4日新たに13人が救助され、このうち女性1人はけがの程度が重いということです。

この結果、救助された人は3日と合わせて23人となりました。

一方、熱海市は安否不明者の人数についてこれまでおよそ20人とみられるとしてきましたが、斉藤栄市長は4日夜の記者会見で初期の段階で市に寄せられた情報に基づく人数だとしたうえで、「正確な人数の把握が難しく、予断を持って答えることができない」と述べました。

市では住民基本台帳をもとに調査を進めることとし、伊豆山地区で被害を受けた地域に登録のある215人のうちこれまでに68人の無事を確認できたということです。

そして残る147人の確認を急いでいるということですが、すでに転居していたり、災害後に親せきの家に避難したりしている人もいると考えられるということで、斉藤市長は「すべてが安否不明者ではなく、確認には時間がかかる」としています。

伊豆山地区の国道捜索 土砂に埋もれた車も

土石流が起きた静岡県熱海市の伊豆山地区の国道135号線では、4日朝から警察や自衛隊が行方がわからない人たちの捜索を行いました。

泥の中から土砂やがれきを取り除く作業を進めていて、中には住宅の一部とみられる建材や土砂に埋もれた車も見つかっています。

現場では今も断続的に雨が降り続いていて、午前10時前には、土砂災害の危険が高まっているとして、作業の中断を余儀なくされました。

住民「土石流は複数回発生」

土石流の発生当時、伊豆山地区にいたという住民は土石流は3日午前10時半ごろから11時にかけて複数回、断続的に起きたと話しています。

避難所に避難してきた56歳の男性は「ドーンという大きな音と振動があり、玄関先に出てみると、土砂が流れてきていた。その後も2、3回、ドーンという音が聞こえた。母と2人で自宅にいて、自分は避難してきたが、母とは連絡が取れていない」と話していました。

また64歳の男性は「1回目は音が聞こえず、2回目がばりばり、ぶしゃぶしゃという音がして土砂が流れていた。その後、10分近くたってから3回目が発生した。真っ茶色の土砂が流れていてものすごいスピードだった。電柱も揺れていた」と話していました。

土石流目撃の男性「『ドーン』と大きな音が」

30メートルほど離れた場所から土石流を目撃したという72歳の男性は「3日午前10時半ごろ、風呂に入っていたときに大きな音が聞こえた。外に出たら、ダンプカーがひっくり返っているのが見えた。その直後、地鳴りとともに、『ドーン』と大きな音がして、近くの小さな川の上流から見たこともない量の土砂が流れ落ちてきた。大きな音は4回、連続して聞こえ、聞こえるたびに新たに土砂が流れてきて、たまった土砂にぶつかり、波のようにはねていた。あっけにとられ、着の身着のまま逃げてきた」と話していました。

熱海市長「避難所対応 救助活動支援などに全力を」

熱海市は4日午前7時から伊豆山地区で発生した土石流の対策を協議する会議を開きました。

このなかで斉藤栄市長は「2次災害を防がなければいけないが、72時間が人命救助のいちばん大事な時間となる。情報収集や避難所の対応など救助活動を支援するために持ち場の仕事に全力をあげてください」と述べました。

市によりますと逢初川の上流の家屋が大きな被害を受けている可能性があるとして、上流周辺の地域により多くの人員を投入して救助活動を行うとしています。

また現地では断続的に雨が降っていて、2次被害を防ぐために静岡県の土木事務所が土砂の状況を確認し、異常があった場合には緊急速報用のメールで知らせる態勢をとっているということです。

市では安否の確認も進めていて、避難所で作成した住民の名簿と連絡のつかない人を照合する作業も急いでいます。

市では15の避難所を開設しており、4日午前6時時点で合わせて387人が避難しているということです。