独 AZワクチン接種後 別の種類勧める 免疫反応強まり間隔短く

ドイツ政府は、アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンを1回接種した人に、2回目は別の種類のワクチンの接種を勧める方針を示しました。同じワクチンを2回打つのに比べて免疫反応が強まり、接種の間隔を短くすることができるとしています。

ドイツ政府は2日、アストラゼネカのワクチンを1回接種した人に、2回目はファイザーとビオンテックが共同開発したワクチン、またはモデルナが開発したワクチンの接種を勧める方針を示しました。

これに先立って専門家で作る委員会は1日、アストラゼネカのワクチンを2回接種するより免疫反応が強まるとして、2種類を組み合わせた接種を推奨していました。

また、ドイツではアストラゼネカのワクチンを接種する間隔は「9週間以上」とされていますが別のワクチンと組み合わせた場合、その間隔は「4週間以上」に短縮することができます。

シュパーン保健相は、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株が国内の感染者に占める割合は今月中に80%程度にまで増えるという見通しを示していて、新たな方針によって接種のスピードを上げる狙いがあります。

ドイツでは、少なくとも1回接種を受けた人は人口の55%余りを占めていますが、シュパーン保健相は「2回のワクチン接種を終えてこそ、デルタ株に対する効果が高まる」と述べ、2種類のワクチンを組み合わせた接種の有効性を強調しました。

WHO「柔軟性を持って対応できる」

2種類のワクチンを組み合わせて接種した場合の効果については、イギリスのオックスフォード大学などの研究グループが6月28日、アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンと、ファイザーとビオンテックが開発したワクチンを組み合わせて接種した場合、アストラゼネカのワクチンを2回接種した場合よりも免疫反応が強かったなどとする臨床試験の結果を発表しました。

これについて、WHOの諮問委員会の事務局を統括するホンバック博士は2日の定例の記者会見で「いいニュースだ。ワクチンの供給が中断した場合、各国は柔軟性を持って対応できるようになる」と述べ、供給不足などを背景に同じ種類のワクチンが接種できない場合、アストラゼネカとファイザーのワクチンであれば組み合わせて接種しても問題ないという見解を示しました。

一方、ホンバック博士は、これ以外の種類のワクチンを組み合わせた場合の効果や安全性についてはまだ研究中だとした上で「一般的な勧告はできない」と述べ、現時点では勧められないという見解を示しました。