原爆の「黒い雨」 がん患者データ分析し健康影響調査 厚労省

広島に原爆が投下された直後のいわゆる「黒い雨」について、厚生労働省は健康への影響を調べるため、医療機関から報告されたがん患者のデータを分析することを決めました。

広島で「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたと住民たちが訴えた裁判では、去年7月、広島地方裁判所が全員を被爆者と認め、厚生労働省の検討会が援護区域について拡大も視野に検証しています。

2日の検討会で厚生労働省は、医療機関から報告された「がん登録」と呼ばれるがん患者のデータを使って健康影響の分析を行う方針を明らかにしました。統計や放射線医学の専門家などで作る検証チームを新たに立ち上げ、地域によってがんなどのり患状況や健康状態に統計的な差があるかなどを調べるということです。

また検討会では、黒い雨が降った地域を特定するため当時の気象状況などをシミュレーションで再現しようとしていますが、委員からは「当時の気象データが乏しく、最新の科学技術を使っても相当な困難を伴う」などと実現を疑問視する声も出ているということです。

このため検討会では、今年度中に気象のシミュレーションを行いつつ、土壌の放射性物質の調査についても採取する場所を大幅に増やしたうえで解析を強化することにしています。