三菱電機 杉山武史社長辞任へ 鉄道関連装置の検査不正で引責

大手電機メーカーの三菱電機は、製造している鉄道用の空調やブレーキ関連の装置で明らかになった検査不正について杉山武史社長が2日記者会見し「社長を辞し、新たな体制で信頼回復に取り組むことが必要だという判断をした」と述べ、責任をとって辞任する意向を明らかにしました。

「組織的な不正行為」

この問題は、三菱電機の長崎県の工場で、鉄道用の空調装置や列車のドアの開け閉めやブレーキに使われる空気圧縮機で、1985年ごろから不正な検査が行われていたものです。

これについて杉山社長は2日記者会見し「品質に関する不適切行為がこれまでにもあり、是正できなかったことを誠に申し訳なく深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

そして「2018年の社長就任以降の経緯を踏まえ、わたしが社長の任にあり続けることが顧客、株主、社会、従業員などの理解を得られるのかどうか、何度も自問した。結論として社長を辞し、新たな体制で信頼回復に取り組むことが必要だという判断をした」と述べ、責任をとって辞任する意向を明らかにしました。

また検査不正の背景については「品質が第一で、納期より品質が優先されるのに、『試験をしなくても大丈夫』という考え方が社内の一般常識になっていたのが実態だ」と述べました。

さらに会社は、顧客に検査の成績書を提出する際、検査が適正であることを装うため、別の検査データを転用するソフトが存在することを明らかにしました。

杉山社長は「こうしたソフトが存在したことや、30年以上不正な検査が続いたことから、組織的な不正行為だったということは認めざるをえない」と述べました。

一方、検査不正による安全性への影響については、空調機器では、発煙や発火それに落下などの重大な事故は少なくとも過去58年間にわたって確認されなかったとしています。

会見に同席した福嶋秀樹常務は「今のところ法令違反になるものはないと認識しているが、検査項目を省略してもいいという合意はないので、契約違反には問われると思う」と述べました。

三菱電機は外部の弁護士などでつくる調査委員会や、社長を室長とする緊急対策室を設置して原因の究明を進め、ことし9月に調査結果と再発防止策をまとめることにしています。