フィデアHDと東北銀行 経営統合に向け協議で基本合意

地域金融機関の経営環境が厳しさを増す中、仙台市に本店を置く地方銀行グループの「フィデアホールディングス」と、盛岡市に本店を置く「東北銀行」は、経営基盤を強化するため経営統合に向けた協議を進めていくことで基本合意したと発表しました。

それによりますと「フィデアホールディングス」と「東北銀行」は、2日に、それぞれ取締役会を開き、経営統合に向けた協議を進めていくことで基本合意しました。

来年10月をめどに、フィデアホールディングスを新しい金融グループの持ち株会社として活用することを前提に、東北銀行を完全子会社にすることを目指すとしています。

フィデアは、山形県鶴岡市に本店を置く「荘内銀行」と、秋田市に本店を置く「北都銀行」を傘下に持つ地方銀行グループです。

ことし3月末時点の総資産は3兆2200億円余りで、東北銀行の総資産を足し合わせると、4兆円を超える規模となります。

人口減少や低金利の長期化に加え、新型コロナウイルスの影響で地域経済が低迷する中、統合によって経営基盤を強化するねらいがあります。

地方銀行を巡っては、ことし5月、青森市の「青森銀行」と「みちのく銀行」が経営統合の協議に入ることで基本合意するなど、再編の動きが相次いでおり、政府や日銀が経営基盤の強化に取り組む地域金融機関向けの支援策を打ち出す中、今後、こうした動きが加速する可能性もあります。

フィデアHD 社長「地域経済の発展目指す」

仙台市に本店を置く地方銀行グループの「フィデアホールディングス」の田尾祐一社長は「両行の経営理念が一致していることが、本日の協議に基本合意に至った最大の理由です。地域経済の発展を目指して両行のノウハウを最大限活用して、地域の客とともに成長していきたい」と述べました。

東北銀行 頭取「相互に強み共有し経営基盤の強化を」

東北銀行の村上尚登頭取は「岩手・秋田・山形の活性化の実現に向けて信頼関係を強化し、地域とともに成長する広域金融グループにしていくことを基本方針にしている。3つの銀行が相互に強みやノウハウを共有し、さらなるビジネス拡大や経営基盤の強化が見込める」と述べました。

相次ぐ地方銀行の再編

地方銀行を巡っては、このところ再編の動きが相次いでいます。

フィデアホールディングスと東北銀行が営業基盤を置く東北地方では、ことし5月、青森市の「青森銀行」と「みちのく銀行」が経営統合の協議に入ることで基本合意したと発表しました。

両行は、2024年をめどに合併する方向です。

また、福井市に本店を置く「福井銀行」も、同じ県内にある「福邦銀行」の株式の過半数を取得して子会社化し、経営統合することで最終合意しました。

こうした動きの背景には、地域金融機関の経営環境が厳しさを増していることに加え、政府や日銀が経営基盤の強化に取り組む地域金融機関向けの支援策を強化していることがあります。

金融庁は、今月下旬にも新たな制度を設け、人口が減っている地域を主な営業基盤とする地域金融機関が合併や経営統合に踏み切る場合、30億円程度を上限に交付金を出して、システム投資などの必要経費の一部を補助することにしています。

また、日銀もコスト削減や経営統合などを行う地域金融機関を対象として、日銀に預けている「当座預金」に年0.1%の金利を上乗せして支払う制度を設けました。

政府、日銀としては、一連の制度を通じて地域金融機関の経営体力を高め、新型コロナウイルスの影響を受ける中小企業の支援など、地域経済を立て直す役割を担わせたい考えです。

麻生副総理・金融相 経営基盤強化への期待感示す

麻生副総理兼金融担当大臣は閣議後の記者会見で「各経営主体の判断によるもので、コメントすることはない」としたうえで「ただ一緒になればよいという簡単な時代ではない。きちんとした新しい理念のもとで銀行の経営がうまくいくようにやってくれることを期待したい」と述べ、統合が経営基盤の強化につながることへの期待感を示しました。