外国人実習生受け入れ団体 アイム・ジャパンに是正勧告 内閣府

外国人技能実習生の国内最大の受け入れ団体である公益財団法人「アイム・ジャパン=国際人材育成機構」が、前の会長の知人が経営する会社に6億円近くの物品などを優先的に発注していたとされる問題で、内閣府は特定の企業への利益供与を禁じた公益法人認定法に違反する疑いがあるとして、徹底した原因の究明などを行うよう勧告しました。

公益財団法人「アイム・ジャパン」は、退任した前の会長で旧労働省OBの柳澤共榮氏(77)の知人が経営する会社などに対し、おととしまでのおよそ9年間に合わせて6億円近くの物品などを優先的に発注していた疑いがあることが、第三者委員会の調査で明らかになりました。

これを受けて、公益法人を監督する内閣府も立ち入り検査を行うなどして調査を進めてきましたが、1日、特定の企業への利益供与を禁じた公益法人認定法に違反する疑いがあるとして、法律に基づき、アイム・ジャパンに対し必要な措置をとるよう勧告しました。

具体的には、問題の取り引きについて徹底した原因の究明を行うことに加え、関わった役職員の処分や退職金の返還などについて検討すること、そしてその結果を詳細に公表することなどを求めたということです。

内閣府は今後、アイム・ジャパンの取り組みの状況を確認したうえで、必要に応じて命令などのより強い措置についても検討することにしています。

国内最大の受け入れ団体 2011年に公益財団法人に

「アイム・ジャパン=国際人材育成機構」は、1991年に設立された外国人技能実習生の国内最大の受け入れ団体で、10年前の2011年に公益財団法人に移行しました。

ホームページなどによりますと、職員は300人余りで、海外を含めて合わせて20の拠点があります。

常勤の理事は現在、会長を含めて6人で、この中には外国人技能実習制度を所管する厚生労働省のOBも含まれています。

アイム・ジャパンは、インドネシアやベトナムなどアジアの5か国の政府と協定を結び、日本で唯一、各国の政府から直接派遣された実習生を受け入れているということです。

実習生はおよそ5か月にわたり日本語などの研修を受けたうえで、全国のおよそ2000の会員企業に配属されます。

これまでに受け入れた実習生は合わせて6万人を超え、現在はおよそ1万人が日本に滞在しているということです。

財源は会員企業から集める実習生の指導費などで、決算報告によりますと、2020年度の収益は34億5000万円余りに上っています。

公益財団法人は税制上の優遇措置があり、公益目的の事業については非課税となっています。

内閣府「公益認定の取り消しに至り得る重大な問題」

今回「アイム・ジャパン」に勧告した理由として、内閣府は、本来、不特定多数の利益のために活動する公益法人が、長年にわたり特定の企業に物品などを優先的に発注するという形で「公益法人認定法が定める規律をないがしろにしてきた」ことを挙げています。

第三者委員会の調査で、アイム・ジャパンは、退任した前の会長で旧労働省OBの柳澤共榮氏の知人女性が経営する会社や、この知人が紹介した会社との取り引きについて、一般競争入札を原則とする内部規程に反して、すべて随意契約にしていたことなどが明らかになりました。

こうした実態を踏まえ内閣府は「公益認定の取り消しに至り得る重大な問題と言え、勧告の内容について法人がどのように対応していくか、注視していく必要がある」としています。

また、柳澤前会長の知人が経営する会社には、前会長が一時、350万円を出資していたほか、今の会長で弁護士の金森仁氏(66)も50万円を出資し、株主となっていたことが分かっています。

内閣府はこうした事実関係にも触れ「特別の利益の供与が行われていた特定の事業者の株式を、みずから保有してきた者が、現在も役員として在任していることは、公益法人に対する国民の信頼を損なうものと考えられる」と指摘しています。

このため勧告では、株主となっていた役員を中心にその適格性について厳格な検討を行うとともに、役員報酬や退職金の引き下げなども含めて検討するよう求めています。

アイム・ジャパン「求められている内容 期日までに報告」

内閣府から勧告を受けたことについて、アイム・ジャパンは「勧告を真摯(しんし)に受け止め、求められている内容について、指定された期日までにご報告申し上げます」とコメントしています。

アイム・ジャパン HPにコメント掲載

内閣府から勧告を受けたことについてアイム・ジャパンは2日、ホームページ上にコメントを掲載しました。

この中では「この度、当機構に対して監査官庁である内閣府から、本件不祥事案に関し、徹底した原因究明と責任追及を行うこと、再発防止策を改めて策定すること等を内容とする『勧告書』の交付がなされました」としたうえで「当機構としましては、本勧告を真摯に受け止め、公益法人として国民の信用を損なうことがないように改善に努めてまいる所存であります」とコメントしています。