外国人“強制送還対象でも保健所は通報せず感染経路調査可能”

厚生労働省は、新型コロナウイルスに感染した外国人を保健所が調査する際、オーバーステイなどが判明しても通報しないことができるという見解を、自治体に伝えました。

先月末までに国内で新型コロナウイルスへの感染が確認された人のうち、外国人は少なくとも5200人余りで、外国人コミュニティーでは複数のクラスターも起きています。

一方で、保健所が感染経路などを調査しようとしても、オーバーステイの外国人などは通報を恐れて協力しない可能性があるとして、厚生労働省が対応を検討していました。

その結果、保健所の調査などで強制送還の対象となる外国人を確認しても、調査に支障が出るおそれがある場合は、個別の判断で通報しないことができるという見解を、今週、自治体に示したということです。

一方、通報しない場合でも、在留資格を取得してもらうためには入管当局への出頭を勧めるのが望ましいとしています。

厚生労働省は「保健所の調査は感染対策に不可欠なので、新型コロナウイルスへの対応を優先して調査を進めてほしい。また、外国人の方々も通報されることを心配せずに、調査に協力してほしい」と呼びかけています。