国連 グテーレス事務総長 女性への暴力 各国が対策強化を

国連のグテーレス事務総長は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、女性への暴力が世界的に増えているとして、各国が対策を強化していく必要があると訴えました。

国連のグテーレス事務総長は先月30日、フランスのパリで開かれたジェンダーの平等に向けた取り組みを議論する国際会合で家庭内や路上での女性に対する暴力が世界的に増えていると述べました。

そして「女性や少女への暴力の根絶は間違いなく主要な問題であるにもかかわらず、コロナ禍で状況は悪化している」と懸念を示し、各国が対策を強化していく必要があると訴えました。

会合にあわせて、フランス政府は来年にかけて、政府開発援助の少なくとも50%をジェンダーの平等を目的にした取り組みに充てることを発表したほか、アメリカ政府は2025年までの5年間、毎年平均2600億円余りを拠出し、ビジネス界でのジェンダー平等を加速させると発表しました。

国連によりますと、新型コロナによる外出制限中、パートナーから暴力を受けた女性は6人に1人にのぼると推計されるほか、女性が職を失う確率は男性に比べ24%高いとする調査結果もあるということで、ジェンダーの平等をどのように実現していくか課題になっています。