関西大学 ワクチン2510回分を廃棄 冷蔵庫の適正温度管理できず

学生などへの新型コロナワクチンの職域接種を進めている関西大学は、冷蔵庫の不具合で適正な温度を管理できなかったとして、ワクチン2510回分を廃棄したと発表しました。

関西大学によりますと、6月27日、吹田市にあるキャンパス内の診療所で担当者が出勤した際、ワクチンを保管していた冷蔵庫からアラーム音が鳴っていることに気付きました。

ワクチンはモデルナ製で、冷蔵庫内に設置した温度計を確認したところ、保管する際の上限の8度を上回る、8.3度と表示されていたということです。

さらに詳しく調べたところ、前日の夜からおよそ12時間にわたり、上限を最大で1.4度上回る状態が続いていたことが分かったということです。

このため、大学は適正な温度で管理できなかったとして冷蔵庫内のワクチン2510回分を廃棄しました。

冷蔵庫の製造メーカーは温度が上昇した理由について、初期不良だとしています。

大学は再発防止策として、冷蔵庫内の温度が8度以上になった場合、警備員などが常駐している中央監視室に知らせる仕組みを整えるとしています。

関西大学は、6月21日から学生や教職員などおよそ3万5000人を対象に職域接種を進めていますが、確保しているワクチンの数に余裕があるため、今後も接種を予定どおり行うとしています。

関西大学の芝井敬司理事長は、記者会見で「貴重なワクチンを廃棄することになってしまい、申し訳ありません」と謝罪しました。