三菱電機 鉄道向けの空調設備で検査不正 30年以上か

大手電機メーカーの三菱電機は、製造している空調設備をめぐり性能などを確かめる検査で不正があったことを明らかにしました。不正は30年以上続いていた可能性があるということです。

会社によりますと、鉄道向けの空調設備を製造している長崎県の工場で6月、製品の検査システムの改修をしていたところ、検査記録に不自然な点が見つかったということです。

詳しく調べた結果、顧客の求めに応じて行う安全性や冷暖房の性能に関する検査で、実際は実施していないにもかかわらず、架空のデータが記入されていたことが明らかになりました。

関係者によりますと、不正は1980年代から続いていた可能性があり、顧客が求める水準を満たしているように装っていた疑いもあることから、会社は従業員の聞き取りなど本格的な調査を始めました。

すでに出荷した製品の安全性について会社は「社内で定めた安全基準は満たしているため、問題はない」としています。

三菱電機の鉄道向けの空調設備は、国内の鉄道会社をはじめ欧米の地下鉄にも納入された実績があります。

会社は「顧客や関係者に多大なるご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」とコメントしています。

首都圏主な鉄道各社 運行に影響なし

首都圏の主な鉄道各社によりますと、三菱電機から空調設備の安全性に問題はないなどという連絡があったということで、各社とも鉄道の運行に影響はないとしています。

このうちJR東日本は、三菱電機の空調設備を新幹線で1700台、在来線で8100台搭載しているということです。

今月25日と28日に三菱電機の担当者から連絡があり、空調設備の性能の検査に不正があったことや設備の性能や安全性に問題はないことなどの説明があったということです。

JR東日本では、社内の定期的な検査で性能に異常がないことを確認していて、鉄道の運行に影響はないとしています。

首都圏の主な私鉄も同じように「安全性には問題がない」などという連絡を受けていて、運行に影響はないとしています。

各社とも、どういう不正があったのか詳しい説明は受けていないということで、今後の情報を待って必要な対応を検討するとしています。

加藤官房長官「不適切な検査は遺憾」

加藤官房長官は午前の記者会見で、経済産業省から三菱電機に対し、事実関係と原因の調査を進め、結果を報告するよう指示し、随時、状況の聴き取りを実施していると説明しました。

そのうえで「法令上の問題がなかったかを含め詳細は調査中だが、不適切な検査が長年にわたり実施されてきたことは問題があり遺憾だ。事実関係の確認、原因の究明、再発防止策の策定も含め、今後の対応が適切になされるよう、政府としてもしっかりと機動的に対応していく」と述べました。

経済産業省 速やかな全容解明を指示

経済産業省は、今月25日に会社から報告を受けたということで、会社に対し検査の不正が鉄道向け空調設備だけでなく、ほかの製品にも及んでいないかなど速やかに全容を解明するよう指示しました。

そのうえで、くわしい事実関係を公表することや、長期にわたる疑いがある不正の原因究明、それに再発防止対策の徹底を求めました。

経済同友会 櫻田代表幹事「経営の責任」

経済同友会の櫻田代表幹事は、30日の定例会見で「従業員の問題ではなく、経営の責任ということになってくると思う。会社は製品の安全性に問題ないと説明しているが、ルール上、調べるべきものを調べたことにしてしまうのは、あってはならない。深刻なことにつながらないようにするには、経営者が不断の努力を重ねるしかない」と述べ、長年にわたる可能性が指摘されている不正について、経営陣の責任は重いとの認識を示しました。