株主総会ピーク 気候変動問題へ取り組み強化求める提案相次ぐ

上場企業の株主総会は、29日が開催のピークとなります。ことしは株主側から気候変動問題への取り組みを強化するよう求める提案が相次いで提出され、今後、投資を呼び込むためにも企業は対応を求められることになりそうです。

29日は、東京証券取引所に上場する3月期決算の企業の3割近くに当たる620社余りが株主総会を開き、ピークを迎えました。

三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会では

このうち、金融大手の三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会は、都内で午前10時からおよそ1時間半にわたって行われました。

今回の総会では、株主のNGO団体から、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」に沿った投資や融資をするための目標を定めて開示するよう、定款の変更を求める提案が出されました。

これに対し会社側は、定款に特定の経営課題を盛り込むと経営戦略全体のバランスを損なうとして反対する一方で、石炭火力発電向けの投融資を2040年をめどにゼロにするなど、パリ協定の目標に沿った対策をすでに始めていると説明し、株主に理解を求めました。

会社によりますと、採決の結果、株主の提案は反対多数で否決されましたが、賛成票もおよそ23%に上り、一定の支持を得た形になりました。

同じような提案はこのほか大手商社などにも出され、株主側の要求は強まっていて、今後、投資を呼び込むためにも企業は対応を求められることになりそうです。

気候変動関連の提案 海外で先行し日本にも

株主が気候変動関連の議案を株主総会に提出する動きは海外で先行し、日本にも広がってきました。

アメリカの議決権行使の助言会社グラスルイスによりますと、去年アメリカで出された気候変動問題に関連する株主提案は17件で、おととしの7件から2倍以上に増え、こうした提案に賛同する割合もおととしの26%から去年は34%に伸びたということです。

こうした中、ことし5月、スーパーメジャーと呼ばれる大手石油会社の一角、エクソンモービルに対し、大株主ではない新興の投資会社が気候変動対策の強化を求めてみずから推薦する取締役の選任を求めた結果、ほかの株主からの支持も得て、選任されることになりました。

現地メディアは「石油の巨人の歴史的な敗北」とも伝え、会社は今後、踏み込んだ環境対策を求められる可能性があります。

一方、日本でも去年、金融大手のみずほフィナンシャルグループで株主のNGO団体が地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」に沿った投資や融資をするため目標を定めて開示するよう求める提案を出しました。

同じような提案は、ことしも金融大手の三菱UFJフィナンシャル・グループや大手商社の住友商事で提出されました。

このほか、缶メーカーの東洋製罐グループホールディングスには、香港の投資ファンドが、気候変動への具体的な対応について踏み込んだ開示を行い、それを元にした経営戦略を示すよう提案を行いました。
資本市場に詳しい早稲田大学の岩村充名誉教授は「企業が気候変動の問題のリスクを考慮すべきだというのは、世界的な要求として強まっており株主提案は増えていくだろう」と話しています。