沖縄本島地方で線状降水帯が発生 災害危険度高まる

沖縄本島地方では線状降水帯による大雨が降り、気象庁は「顕著な大雨に関する情報」を運用開始以来、初めて発表しました。
断続的に非常に激しい雨が降っているため、土砂災害や洪水に引き続き厳重な警戒が必要です。

気象庁によりますと、停滞している梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で、沖縄本島北部には29日未明から発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、大雨になりました。

レーダーによる解析で、名護市周辺では午前3時までの3時間におよそ160ミリの雨が降ったとみられます。

「顕著な大雨に関する情報」発表は初

このため気象庁は午前2時49分、沖縄本島地方に「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。

今月17日に運用が開始されて以来、初めての発表です。

線状の雨雲は形を崩しながら南下しているものの、本島中南部を中心に断続的に激しい雷雨となっていて、午前8時までの1時間には渡名喜島で49ミリの激しい雨が降りました。
この時間は、本島中南部を中心に活発な雨雲がかかっていて、午前9時までの1時間には
那覇空港で54.5ミリの非常に激しい雨が降ったほか、那覇市で45.5ミリの激しい雨が降りました。

午前9時までの12時間の雨量は粟国空港で281.5ミリ、名護市で211ミリに達しています。

沖縄本島地方では29日昼ごろにかけて1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあり、気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意するよう呼びかけています。

一方、上空に寒気が流れ込む影響で北日本から西日本にかけての広い範囲で大気の状態が不安定になり、局地的に、激しい雨が降るおそれがあります。

低い土地の浸水や土砂災害、川の急な増水などに十分注意が必要です。

名護市や北中城村で床上浸水の通報

警察や消防によりますと、沖縄県内では午前9時時点で床上浸水が名護市や北中城村で合わせて4件、床下浸水が名護市や読谷村、それに糸満市で合わせて7件、通報が寄せられているということです。

消防によりますと、沖縄市では午前7時ごろ「民家の屋根が落ちた」と通報がありましたが、建物の中に人はおらず、けが人はいないということです。

一方、南風原町と西原町では「道路の冠水で車が浸水していて、立往生している」といった通報が合わせて3件寄せられているということで、消防が現場で車を動かしています。

そのほか、沖縄本島の各地で道路の冠水が相次いでいます。

これまでのところ、警察や消防にはけが人の情報は入っていないということで、詳しい状況の確認を進めています。

顕著な大雨に関する情報とは

「顕著な大雨に関する情報」は、発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いて土砂災害や洪水の危険性が急激に高まったときに発表されます。

今月17日から新たに運用が始まりました。

「線状降水帯」は、去年の7月豪雨や平成30年の西日本豪雨など、これまでの豪雨災害で繰り返し確認され、予報を上回って、短い時間で状況が悪化する危険性があります。

この情報が出た際は、自治体からの避難の情報に基づき、周囲の状況を確かめて早めの避難をするほか、すでに避難場所までの移動が危険な場合は、崖や沢から離れた近くの頑丈な建物に移動したり、建物の2階以上など浸水しにくい高い場所に移動したりするなど、身の安全を確保することが重要です。

情報が発表される基準は、3時間の解析雨量が100ミリ以上になっている範囲が500平方キロメートル以上あることや、その領域の形状が「線状」であることなどと決められています。

ただ、台風本体の雨雲が近づいた時など、「線状降水帯」とは言えない状況でも発表されることがあります。

注意が必要なのは、この情報が発表された際、すでに外に出ることすら危険になっているおそれもあることです。

気象庁が過去の災害事例で検証したところ「顕著な大雨に関する情報」を発表する基準に達していない段階でも大きな被害が出ていた事例があるということです。

また、情報が出ていない地域でも今後、雨雲が移動し、急激に状況が悪化するおそれもあります。

このため気象庁は、避難情報に直結はせず、危機感を高めてもらうための情報だとし、5段階で運用されている大雨警戒レベルでは「レベル4“相当以上”」だとしています。

そのうえで、情報を待つことなく、
▽気象庁のホームページで確認できる危険度分布や
▽河川の水位情報などをもとに
早めの避難を心がけてほしいと呼びかけています。