将棋 王位戦きょう開幕 藤井二冠 難敵の豊島二冠と対局

将棋の藤井聡太二冠にとって2つめの防衛戦となる「王位戦」の七番勝負が、29日開幕します。
相手はトップ棋士の豊島将之二冠で、藤井二冠は会見で「相手が誰であれできることは同じなので、全力を尽くしたい」と意気込みを語りました。

藤井聡太二冠(18)は去年、八大タイトルのうち「棋聖」と「王位」を立て続けに獲得して史上最年少で「二冠」を達成し、この夏それぞれのタイトルの防衛戦に臨みます。

このうち「王位戦」の七番勝負は、「竜王」と「叡王」のタイトルを持つ豊島将之二冠(31)が挑戦者になり、29日と30日、名古屋市で第1局が行われます。

藤井二冠にとって豊島二冠は、これまで1勝6敗と大きく負け越している難敵で、来月開幕する「叡王戦」の五番勝負でも対戦することが決まっています。

2人は28日、会場の名古屋能楽堂を訪れて対局環境を確認したあと、それぞれ記者会見に臨み、藤井二冠は「常に目標としてきた先輩なので大舞台での対戦を楽しみにしています。豊島竜王は鋭さ、粘り強さ、手厚さ、すべてを兼ね備えている印象です。相手が誰であれできることは同じなので、自分なりに全力を尽くしたい」などと意気込みを語りました。

対する挑戦者の豊島二冠は「いよいよ始まるんだなと、タイトル戦も久しぶりなので緊張感が高まっています。藤井さんは特別な才能を持っている人で、対局できるだけでもありがたいと感じますが、なんとか戦えるように、いい勝負ができるように頑張りたいです」と思いを語っていました。

王位戦の七番勝負は9月にかけて各地で行われ、先に4勝をあげた棋士がタイトルを獲得します。

対戦成績は豊島二冠が6勝1敗と大きく勝ち越し

今回、タイトル戦の舞台で対決する藤井聡太二冠と豊島将之二冠は、ともに愛知県出身で、現在、八大タイトルをそれぞれ2つずつ保持しているトップ棋士です。

藤井二冠は5年前、2016年に史上最年少となる「14歳2か月」でプロ入りすると、デビュー戦から6か月負けなしで、前人未到の「29連勝」を記録しました。
その後も毎年、年間勝率で首位となる「8割超え」を記録する中で数々の最年少記録を打ちたて、去年、早くも「棋聖」と「王位」を獲得して史上最年少での「二冠」を達成するなど、記録ずくめの道を進んでいます。

一方、現在31歳の豊島二冠も、高校2年生の時に16歳の若さで棋士になるなど、早くからその才能に注目が集まっていました。
プロ入り後も好成績を挙げ続け、20歳で王将戦の挑戦者になりましたが、タイトル獲得はならず、その後も、タイトル戦の挑戦者までは進むもののあと一歩届かず、「無冠」の状態が続きました。5回目のタイトル挑戦となった平成30年の棋聖戦で悲願の初タイトルを獲得してからは、そのまま「王位」「名人」を獲得して「三冠」になり、現在も「竜王」と「叡王」を保持して現役トップ棋士の1人として活躍しています。

2人は平成29年の初対局からこれまで7局を戦っていますが、対戦成績は豊島二冠が6勝1敗と大きく勝ち越していて、藤井二冠はことし1月に持ち時間が短いルールの「朝日杯将棋オープン戦」で初勝利をあげるまで6連敗していました。

この夏は、29日開幕する王位戦の七番勝負に加え、藤井二冠が挑戦権を獲得して豊島二冠に挑むことになった叡王戦の五番勝負も並行して進み、タイトル戦を舞台にした直接対局が続くことになります。