陸上 新谷仁美 揺れた思い 東京五輪“一時 辞退も考えたが…”

陸上の日本選手権、最終日。女子5000メートルで2位に入り10000メートルに続き2種目目の代表に内定した新谷仁美選手は、開催に賛否が分かれる東京オリンピックについて今大会前、一時は代表を辞退することを考えたものの、再び出場を決意したことを明らかにしました。

“日本代表として走り切りたい”

27日のレースで新谷選手は先頭でレースを引っ張る廣中璃梨佳選手になんとかついていきましたが、3000メートルを過ぎると廣中選手に引き離されました。

そして、3600メートル付近で後ろを走っていた田中希実選手に抜かれて4位に後退しましたが、すぐに抜き返して最終的に2位でフィニッシュしました。
田中選手は、今大会2日前に1500メートルに出場し、27日、800メートルで3位に入ったレースの、およそ30分後には5000メートルに出場していました。

新谷選手は「10歳以上も年が離れた田中選手が前に出た瞬間、レース前に800メートルを走った選手なのに私は5000メートル1本しか走らず疲労もたまっていない中で、その後ろを走っていることは恥ずべきことだなと感じた。きつい中だったが彼女のおかげで粘ることができた」と振り返りました。

また、開催への賛否が分かれる東京オリンピックについて今大会前、「“東京五輪”ということばが頭の中に響くたびに、正直、辞退しようかとも思った」と明かしました。

ただ、所属企業の担当者から「オリンピックがすべてではない。新谷さんが最終決断したその答えを全力で応援するし、ぼくたちは新谷仁美という1人の人間を守る会社でありたい」と言われたことをきっかけに、「私が辞退することで、ほかのオリンピックを目指すアスリートへの風向きがよけいに強くなってしまうと考え、割り切って出場しようと決めた」と経緯を説明しました。

新谷選手はオリンピックに向けて「応援してくれる人だけでなく、そうではない人の声や気持ちも全部受け止めて日本代表として走りきりたい」と率直な思いを語りました。