インドネシアで新型コロナの感染 再拡大 医療体制ひっ迫

新型コロナウイルスの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアで感染が再び拡大し、26日、新たに確認された感染者はおよそ2万人と、これまでで最も多くなっています。各地では医療体制がひっ迫する事態となっていて政府が対応に追われています。

インドネシアでは一時、1日の新規感染者は2400人ほどまで減少しましたが、今月に入って感染が再び拡大し、26日は2万1095人とこれまでで最も多くなっています。

原因についてインドネシア政府は先月のイスラム教の断食月、ラマダン明けの連休で多くの人が移動したことや、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株が広がっているとしています。

感染が特に深刻な首都ジャカルタでは感染者の治療を行っている病院の病床が90%まで埋まっているほか、隣接する西ジャワ州で感染者を受け入れている病院では病床が足りず屋外に設けたテントの中で治療が行われています。

こうした状況を受けて保健省は、ジャカルタの3か所の大きな国立病院を感染者の治療だけを行うよう変更するなどして、病床の確保に追われています。

また、国内の酸素の製造業者には酸素を産業用から医療用に振り分けるよう指示しています。

一方、JETRO=日本貿易振興機構によりますとインドネシアに進出しているおよそ1900社の日系企業の一部では、感染の再拡大を受けて駐在員を帰国させる動きが出始めているということです。