米大統領 「米軍完全撤退のあともアフガニスタン支援続ける」

アメリカのバイデン大統領は、アフガニスタンのガニ大統領とホワイトハウスで会談し、ことし9月までとしているアメリカ軍の完全撤退のあとも、治安の安定と和平の実現に向けて支援を続けていくと強調しました。

アフガニスタンでは、現地に駐留するアメリカ軍が同時多発テロ事件から20年となることし9月までに完全撤退することになっていますが、撤退が本格的に始まった先月以降、反政府武装勢力タリバンが支配地域を拡大させるなど治安が悪化しています。

こうした中、バイデン大統領は25日、ホワイトハウスでアフガニスタンのガニ大統領と会談し、「アメリカ軍は撤退するが、アフガニスタンへの政治的、経済的な支援は終わらない。ただ、自国の将来はアフガニスタンの人たちが決めなければならない」と述べました。

これに対しガニ大統領は「両国の関係は新たな局面を迎える。軍事的なパートナーシップではなく、双方の利益にもとづいた包括的な関係だ」と述べ、アメリカ軍の撤退後も新たな関係を築いていく考えを示しました。

バイデン大統領は今回の会談を通じて、軍の撤退後もアメリカが治安の安定と和平の実現に向けて支援を続けていくと印象づけたいねらいがあるとみられていますが、アフガニスタンではタリバンが各地で攻勢を強めているほか、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織なども台頭していて、アフガニスタンが再びテロの温床にならないか懸念も出ています。

通訳などの国外退避が課題

アフガニスタンからのアメリカ軍の撤退に伴って課題となっているのが、通訳などアメリカ軍のために働いてきたアフガニスタン人の国外への退避です。

家族を含めると5万人にものぼるとされるこうした人々をめぐっては、反政府武装勢力タリバンなどから報復されるおそれがあるとして、バイデン大統領はアメリカへの受け入れを進める考えを示しています。

ホワイトハウスのサキ報道官は25日、会見で「アメリカ軍の撤退前に、こうした人々は国外に退避するだろう」と述べ、通訳などの協力者は、アメリカへの入国を目指すビザの手続きに時間がかかるため、いったん第三国に待避して、ビザの発給を待つことになるとの見通しを示しました。

カブールの米大使館前ではデモ

アフガニスタンの首都カブールでは今月25日、通訳などとしてアメリカ軍のために働いてきたアフガニスタン人が国外への退避を求めてアメリカ大使館前でデモを行いました。

参加者は「テロリストたちは解雇された通訳たちを虐殺する」とか「私たちの命を救うためビザの発給要件を変えろ」などと書かれたプラカードを掲げて、支援を訴えていました。

デモに参加した男性は「ビザがなければ、私たちは100%殺されるだろう。ビザの取得は私たちの権利だ」と話していました。