奈良県 次の感染拡大に備え 病院に重症病床確保協力を要請

奈良県は次の感染拡大に備え、新型コロナウイルス感染者の重症病床について、各病院に追加確保の働きかけに取り組んでいます。

奈良県内では、ことし4月から5月にかけて感染者が急増した際、重症病床の使用率が一時90%を超えるなどひっ迫しました。

これを受けて県は、次の感染拡大に備え、特に重症病床について、これまでに軽症者などを受け入れている病院を中心に個別に訪問して協力を要請しています。

25日はこのうち奈良市の「済生会奈良病院」を県の担当者が訪れました。

病院側は、設備や人手の不足などから重症病床を確保することは難しいものの、症状が比較的安定してきた患者を受け入れることは検討したいと応じたということです。
済生会奈良病院の久永倫聖院長は「現場はいっぱいいっぱいで、重症者の受け入れは厳しいが、症状が落ち着いた患者などは、そのつど相談して受け入れを検討したい」と話していました。

一方、奈良県の鶴田真也医療政策局長は「医療現場の問題意識をわれわれとしても受け止め、しっかり掘り下げるのが訪問のいちばんの目的だ。『第5波』は来てほしくないが、仮に来たときにも耐えられるよう、今どこまで準備できるか取り組みたい」とコメントしています。