就職した障害者 8万9000人余 リーマンショック以来の減少に

昨年度、全国のハローワークを通じて就職した障害者は8万9000人余りと、新型コロナウイルスの影響で前の年度から12%余り減り、リーマンショックの影響を受けた2008年度以来の減少となったことがわかりました。

厚生労働省によりますと昨年度、全国のハローワークを通じて就職した障害者は8万9840人で、前の年度から1万3323人、率にして12.9%減少しました。

前の年度から減少したのは、リーマンショックの影響を受けた2008年度以来で、減少率は1970年度の調査以来、最も大きくなりました。

就職者数のうち、身体障害者は2万25人と前の年度から21.4%減ったほか、精神障害者は4万624人と18.1%、知的障害者は1万9801人と9.6%いずれも減少しました。

就職した産業をみると「医療・福祉」が最も多く3万4417人と全体の40%近くに上っていて、次いで「卸売業・小売業」が1万515人「製造業」が1万357人などとなっています。

産業別に前の年度からの減少率をみると「宿泊業・飲食サービス業」が31.7%、「生活関連サービス業・娯楽業」が31.2%などとなっていて、感染拡大で大きな影響を受けた産業で減少率が高くなっています。

障害者の就職者数は44の都道府県で前の年度より減少していて、減少数は東京は1843人、神奈川は1149人などとなっています。

障害者のハローワークへの新規の求職申し込み件数は、昨年度21万1926件で、1999年度以来の減少となりました。

ハローワークを通じた障害者の就職率は昨年度、42.4%と前の年度から3.8ポイント低下しました。このうち滋賀と沖縄は前の年度より10ポイント以上低くなりました。

厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響で企業からの求人が減少し、感染の不安からハローワークを通じた就職活動を控える障害者が多くなったことから、就職者数の大幅な減少につながった。ハローワークを通じて就職活動を支援するとともに、人手不足の企業などには積極的な採用を呼びかけたい」としています。

昨年度 解雇された障害者は2191人

厚生労働省が全国のハローワークなどを通じて行った調査によりますと、企業の業績悪化などを理由に解雇された障害者は昨年度、全国で2191人に上りました。

これは前の年度から117人、率にして6%増えました。

このうち、身体障害者は951人、知的障害者は641人、精神障害者は599人となっています。

都道府県別でみると、東京が334人と最も多く、次いで北海道が178人、愛知が114人などとなっています。

厚生労働省は「解雇された障害者は前の年度より増えたものの、昨年度の後半は一定の落ち着きをみせていると考えている。ハローワークなどを通じて再就職に向けた支援を強化したい」としています。