大阪 西成で住宅倒壊 けが人なし 倒壊の瞬間を住民が撮影

25日午前、大阪 西成区で崖の近くに建っていた住宅2棟が相次いで崖下に崩れ落ちました。けが人はいませんでしたが、さらにもう1棟が崩れるおそれがあり、警察などが周辺の住民に近づかないよう呼びかけています。

25日午前7時すぎ、大阪 西成区天下茶屋東の住宅街で「道路に水が漏れている」と近くに住む人から警察に通報があり、およそ30分後、崖の近くに建っていた2階建ての住宅1棟がおよそ10メートル下に崩れ落ちました。

警察によりますと、住宅は2軒が連なった構造で、このうち1軒に80代と60代の親子が住んでいましたが、午前6時ごろ、ミシミシという音を聞いて逃げ出し、無事だったということです。

さらに午前10時半ごろには、隣にある2軒続きの住宅も倒壊しました。

誰も住んでおらず、けが人はいないということです。

現場ではさらに1棟の住宅が崩れるおそれがあり、警察や区の職員は、この家に住む50代の女性や周辺の住民を避難させ、現場付近に近づかないよう呼びかけています。

警察によりますと、近くでは高齢者施設の建設工事が行われていたという情報がありますが、倒壊と関連があるかどうかは分かっていません。

現場はJR天王寺駅から南西に1キロ余り離れた住宅街で、警察が詳しい状況と原因を調べています。

通報した女性は

現場の近くに住む60代の女性は、25日午前7時ごろ、住宅が傾いて5センチほど浮いた部分から水道管が割れて水が吹き出しているのを見て、警察に通報したということです。

女性は倒壊した住宅に住む親子が避難する姿を見かけたということで、「母親が家の中に入ろうとするのを息子が『危ないから入ったらあかん』と一生懸命引き止めていた」と話していました。

また、当時は周囲にガスのにおいが充満していたということで、「近くの人に避難するよう消防と一緒に呼びかけて回りました」と話していました。

倒壊の瞬間を近くに住む人が撮影

近くに住む人が撮影した映像です。

散歩中に「パキパキ」という音に気付き、見上げると、崖の近くにある2階建ての建物が傾き始めたということです。

映像では数秒後、大きな音をたてながら一気に崩れ落ちる様子がとらえられています。

直後には周囲に土煙が立ちのぼる様子も確認できます。

また、倒壊した住宅の隣にある建物の基礎部分もえぐれている様子が見てとれます。

地区の自治会長「起きるべくして起きたと思う」

倒壊した住宅がある地区の自治会長によりますと、崩れ落ちた崖の下には、以前アパートが建っていましたが、数年前に解体されて空き地になり、ことし1月からは高齢者施設の建設工事が行われていたということです。

倒壊した住宅の隣には、以前は別の住宅が建っていましたが、建設工事が始まるにあたって倒壊の危険性があるとして解体されたということです。

自治会長によりますと、工事に伴って大きな振動が伝わってくることもあったということです。

自治会長の高階隆之さん(76)は「もともと地盤が緩く、崖の上に建っていたから危ないと思っていた。工事の住民説明会でも地盤が緩いので対策をしっかりしてほしいと伝えていた。工事前に解体した住宅以外の建物についても危険性を説明して解体すべきだったのではないか。今回の事故は起きるべくして起きたと思う」と話していました。

松井市長「残りの住宅 きょうかあす中に撤去したい」

大阪市の松井市長は記者団に対し、現場に残っている住宅1棟について「倒壊の危険性があり、所有者と話し合ったうえで、きょうかあす中に撤去したい」と述べ、早期に撤去に踏み切る考えを示しました。

住宅の所有者には、当面、公営住宅を用意するとしています。

また、松井市長は、今回住宅が相次いで倒壊した原因について、市として調査を進める考えを示しました。