日本の人口は1億2622万人 86万人減 世界11番目 国勢調査速報値

去年行われた国勢調査の速報値によりますと、日本の人口は1億2622万7000人で、前回5年前の調査と比べて86万8000人減りました。前回に続いての減少ですが、日本で生活する外国人が大幅に増えたことなどにより、減少幅は縮小しました。

総務省が25日発表した国勢調査の速報値によりますと、去年10月1日現在の日本の人口は、1億2622万6568人で、前回5年前の調査と比べて86万8000人余り、率にして0.7%減りました。

1920年の調査開始以来初めて人口が減少した前回の調査に続いての減少ですが、減少幅はおよそ9万4000人縮小しました。

減少幅が縮小した背景について総務省は「ほかの統計も含めて分析すると、死亡者数が出生者数を上回る自然減の数は、前回よりさらに増えたものの、日本で生活する外国人が大幅に増えたほか、新型コロナウイルスの影響で海外から帰国した日本人が多かった結果と考えられる」としています。

都道府県別で見てみますと、前回より人口が増加したのは9都府県で、増加数は東京が54万9000人と最も大きく、次いで神奈川が11万4000人、埼玉が8万人などとなっています。
一方、38の道府県では減少し、減少数が最も大きかったのは北海道の15万3000人で、次いで新潟の10万2000人、福島の8万人などとなっています。

市町村別では、全体の8割以上の市町村で人口が減少し、半数を超える市町村では、減少率が5%以上となりました。
人口の増加数が最も大きかったのは東京23区の47万2000人で、次いで福岡市の7万5000人、川崎市の6万4000人などとなっています。
一方、減少数は、北九州市が2万2000人と最も大きく、次いで新潟市や長崎市の2万人などとなっています。
また、世帯数は5571万9562世帯で、前回よりおよそ227万1000世帯増え、調査開始以来、一貫して増加が続いています。
ただ、1世帯当たりの人数は2.27人と前回の2.38人から過去最少を更新し、総務省は、高齢者の単身世帯の増加が進んでいるとしています。

国勢調査は、ことし11月に確定値が発表される予定で、国や自治体の施策の基礎資料として用いられるほか、衆議院選挙の小選挙区の見直しや民間企業の市場分析など、さまざまな形で活用されます。

全国の人口

<増減率の推移>

人口の増減率の推移を見ると、第2次ベビーブームの時期にあたる1975年の調査で7%の増加となって以降は、出生率の低下に伴って増加幅は縮小していきました。

そして、前回2015年の調査では、0.8%の減少と、1920年の調査開始以来、初めての人口減少となり、今回の調査では0.7%の減少と、引き続き人口が減少しています。

<女性が350万人多い>

男女別に見ると、男性は6136万人、女性は6486万7000人となり、女性が男性より350万7000人多くなっています。

戦前の1940年までは男性が女性をわずかに上回っていましたが、戦争による男性の死亡によって男女別の構成が大きく変化し、戦後は一貫して女性が男性を上回っています。

<世界11番目>

国連の推計によりますと、2020年の世界の人口は77億9500万人で、日本は世界で11番目となり、前回より順位を1つ落としました。

人口の増減率でみると、人口上位20か国の中で減少となっている国は日本のみとなっています。

都道府県の人口

<都道府県別ランキング>

都道府県別の人口は、多い順に、
・東京 1406万5000人
・神奈川 924万人
・大阪 884万3000人
・愛知 754万6000人
・埼玉 734万7000人
・千葉 628万7000人
・兵庫 546万9000人
・北海道 522万9000人
などとなっています。

1位の東京だけで全国の11.1%を占め、神奈川・埼玉・千葉を加えた「東京圏」で、全国のおよそ3割を占めています。

一方、人口が最も少ないのは鳥取で、55万4000人となっています。

<5都県で人口増加加速、33道府県は減少加速>

2015年の前回調査から人口が増えたのは、多い順に東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、福岡、沖縄、大阪、滋賀の9つの都府県となっています。

増加率で見ると、東京(4.1%)が最も高く、次いで沖縄(2.4%)、神奈川(1.3%)などとなっています。

また、増加幅は、東京、千葉、神奈川、福岡、埼玉の5都県で前回調査より拡大しています。

一方、人口が減少した38の道府県のうち、減少率が高かったのは、秋田(6.2%)、岩手(5.3%)、青森(5.3%)などでした。

そして、前回調査から人口減少が加速していたのは、33の道府県にのぼりました。

市町村の人口

<100万人以上の市は12市>

人口が100万人以上となったのは12市で、多い順に
・東京23区 974万5000人
・横浜市 377万8000人
・大阪市 275万5000人
・名古屋市 233万3000人
・札幌市 197万5000人
・福岡市 161万3000人
・川崎市 153万9000人
・神戸市 152万7000人
・京都市 146万5000人
・さいたま市 132万5000人
・広島市 120万1000人
・仙台市 109万7000人
となっています。

市町村の人口規模は小さくなっていて、人口5万未満の市は272から290に増加し、人口5000未満の町村は267から290に増加しました。

原発事故による避難指示が解除され住民の帰還が進んだ地域を除き、人口の増加率が最も大きかったのは、千葉県流山市の14.7%で、逆に、減少率が最も大きかったのは、熊本県球磨村の34.1%でした。

世帯

<41都道府県で増加>

前回調査から世帯数が増加したのは、高知・秋田・長崎・山口・岩手・青森を除く41の都道府県でした。

このうち増加率が大きかったのは、沖縄(9.3%)、東京(7.7%)、埼玉(6.1%)などでした。

<1世帯当たり人数は全都道府県で減少>

都道府県別の1世帯当たりの人数は、多い順に山形(2.68人)、福井(2.64人)、佐賀(2.60人)などとなっています。

一方、最も少なかったのは東京(1.95人)で、次いで北海道(2.12人)、大阪(2.14人)などとなっています。

前回調査からの増減で見ると、1世帯当たり人数はすべての都道府県で減少しました。

総務相「“人口減少社会” 改めて裏付けと認識」

武田総務大臣は、閣議のあとの記者会見で「人口は、前回調査に引き続き減少しており、少子高齢化を背景に日本が人口減少社会にあることが改めて裏付けられたものと認識している」と述べました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での調査となったことについて「大変厳しい状況の中で、非接触の調査方法を基本とし、インターネット回答を一層推進するなどして取り組んできた。今後しっかり検証を行って次回以降の調査に結び付けたい。無事に調査を終了でき、調査員や自治体の尽力と国民の協力に心から感謝申し上げたい」と述べました。

加藤官房長官「少子化対策は最優先課題」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「人口減少の大きな要因である少子化は、わが国の社会経済の根幹を揺るがしかねない問題であり、最優先で取り組むべき課題として、しっかりと具体的な対策を構築していく必要がある」と指摘しました。

そのうえで、去年決定した「少子化社会対策大綱」に基づいて、不妊治療への支援や、保育の受け皿の整備、男性の育児休業取得の促進などの少子化対策を推進するほか、新型コロナウイルスの感染拡大で強い不安を抱えている妊産婦に対し、退院後の保健師による訪問ケアを行うなど、総合的な支援を進めていると説明しました。

そして「今後とも、妊娠、出産、子育ての不安の解消などにしっかりと取り組み、子どもを安心して産み育てることができる環境の確保を図っていきたい」と述べました。

大島衆院議長「選挙制度の在り方 継続的議論に期待」

大島衆議院議長はコメントを発表し「今回の数値に基づき、今後、政府の衆議院議員選挙区画定審議会で区割り改定作業が開始されることになるが、まずは審議会における議論の推移を見守りたい。次期衆議院選挙のあと、各党・各会派において、衆参両院の役割や機能を踏まえた選挙制度の在り方について継続的に議論していくことを期待する」としています。