「表現の不自由展」 東京の開催を延期 抗議相次ぎ

おととし、愛知県の国際芸術祭で「表現の不自由」をテーマにした企画展が一時、中止された問題で、当時の作品などを集めて25日から都内で開催される予定だった展示会が、相次ぐ街頭での抗議などを受けて延期されることになりました。

これは、24日、編集者や学生などでつくる実行委員会が都内で会見を開いて明らかにしました。

おととし、愛知県で開かれた「あいちトリエンナーレ」では、「表現の不自由」をテーマにした企画展で慰安婦を象徴する少女像などが展示されたことに抗議や脅迫が相次ぎ、展示が一時、中止される事態となりました。

実行委員会では、当時の作品などを集めて、25日から来月4日まで都内の民間施設で展示会を開く予定でしたが、抗議の電話やメールが続き、街頭でも繰り返し抗議活動が行われたことから、今月上旬に施設側から「会場の貸し出しはできない」と伝えられました。

その後、都内の別の民間施設を借りることで施設側と合意しましたが、先週、「近隣に迷惑がかかるので貸し出せない」と所有者から連絡が入り、ほかの会場が見つからず、開催の延期を決めたということです。

現時点で開催できる日時のめどは立っていないとしています。

抗議の中には、生命や身体を脅かすような内容に加え、展示会への攻撃を示唆するものもあったということで、法的措置も検討しているということです。

「表現の不自由展・東京展」実行委員会の岩崎貞明さんは「芸術作品に関心を寄せている方々にゆっくり鑑賞できる環境を提供したいが機会すらなかなか作ることができない。この状況について皆さんにも考えていただけたら」と話していました。
表現の自由に詳しい慶應義塾大学法科大学院の横大道聡教授は、「展示に反対する勢力からの妨害を理由に会場が借りられなくなることは、市民にとって表現に触れる機会が減少していくことを意味する。展示内容への賛否を議論する以前に、妨害によって表現の機会を与えないことに対して反対することが重要だ」と指摘しています。