タイで学生らが反政府デモ “政府は国民をコロナから守れず”

タイでは政府が新型コロナウイルスから国民を守ることに失敗したなどと、非難する学生グループらが大規模な反政府デモを呼びかけ、プラユット首相に辞任を求めました。

タイでは去年7月以降、軍出身のプラユット首相の辞任や王制改革を求める反政府デモが相次ぎましたが、当局が王室への中傷を禁じた不敬罪を適用して摘発を進めたほか、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になったため、デモは下火となっていました。

こうした中、1932年に絶対王政から立憲君主制に移行した、いわゆる「立憲革命」の記念日にあたる24日、民主化を求める学生らのグループなど5つの団体が、タイ全土で反政府デモを呼びかけました。

このうち首都バンコクのデモ隊は「政権はウイルスから国民を守ることに失敗した」などと非難し、プラユット首相に辞任を求めました。

そして、軍が政治に関与しやすい憲法を改正すべきだとする要望書を提出するため、議会まで行進しました。

デモに参加した女性は「ワクチンを十分に用意できなかったのは失政だ」と声をあげ、別の男性は「現政権のせいで国民が飢えに苦しんでいる」と訴えていました。

タイではコロナ禍による経済の悪化で、社会に閉塞(へいそく)感が生まれていて、若者の間で政府は状況を改善できていないとして、再び不満が高まっているものとみられます。