高知県 職域接種受け付け一時休止を前に 駆け込み申請呼びかけ

企業などによる新型コロナワクチンの職域接種の受け付けを、政府が25日から一時休止すると発表したことを受けて、申請を予定している団体に早めの手続きを促そうと、高知県庁では24日朝から職員が対応に追われていました。

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、政府は23日、モデルナのワクチンの配送が追いつかず、今後、供給できる量を上回るおそれがあるとして、職域接種の申請の受け付けを25日午後5時で一時休止すると発表しました。

これを受けて、高知県庁では、24日朝から担当者が職域接種を検討している団体に電話で連絡を取り「機会を逸してしまうので早めの申請をお願いします」と呼びかけていました。

そのうえで、接種を予定する人数や会場、それに医療機関の確保にめどをつけたうえで申請するよう注意点を伝えていました。

高知県によりますと、県内ではこれまでに10の企業などが職域接種を申請していて、このうち5つがすでに承認を受けているということです。

県健康対策課ワクチン接種推進室の林英典さんは「県も報道で知り、急いで企業に周知しようと思ったところです。時間をかけて検討していくという企業が多かったので、驚いているところもありました。県としても医療従事者の確保などを協力していきたいです」と話していました。

香川県の専門学校 不安抱え接種の準備

来月、新型コロナウイルスのワクチンの職域接種を計画している香川県内の専門学校では、ワクチンが予定どおり届くか不安を抱えたまま接種に向けた準備を進めています。

香川県内では、今月18日の時点で23の団体や企業、学校などが国に職域接種の申請をしています。

このうち、宇多津町の四国医療専門学校は近隣の大学などと合同でおよそ1600人を対象に来月5日の週からの接種開始を計画しています。

ところが、河野規制改革担当大臣がワクチンの供給懸念から、職域接種の申請受け付けを一時休止すると発表したあとの23日夜、国の担当者から「接種の開始時期などについて期待に添えない場合がある」という内容のメールが届いたということです。

専門学校では、24日も関係者が集まって打ち合わせを行いましたが、仮に開始時期が遅れると、協力をお願いしている医療従事者の、日程の再調整や会場の変更を迫られる可能性もあるとして、不安の声が相次ぎました。
専門学校を運営する「大麻学園」の、坂本竜輝事務局次長は「複数の学校が集まっての接種で皆さんの期待を背負っているが、河野大臣の発言などを受けて不安に感じた。とにかく待つしかない、仕方がないという気持ちです」と話していました。