フィリピン ベニグノ・アキノ前大統領 死去 経済成長を主導

フィリピンの経済成長を主導し南シナ海の領有権問題をめぐって中国と対立を続けたベニグノ・アキノ前大統領が24日、死去しました。61歳でした。

ベニグノ・アキノ氏は、1986年に「ピープルパワー」と呼ばれる反政府運動で当時のマルコス政権を退陣に追い込んだコラソン・アキノ元大統領の長男です。

38歳で政界入りし、下院議員や上院議員を経て2010年から2016年まで大統領を務めました。

クーデターや汚職疑惑に見舞われた歴代の政権と異なり、安定した政権運営を実現し、アキノ政権下のフィリピンはGDP=国内総生産の伸び率がおおむね年6%を超える経済成長を続けました。

また、南シナ海の領有権問題をめぐって中国と対立し、2013年には南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張する中国の主張は国際法上認められないとする国際的な仲裁裁判の申し立てを行いました。

この申し立てについては、3年後の2016年に中国の主張を全面的に否定する判断が出されました。

家族によりますと、アキノ氏は糖尿病にともなう腎不全のため、24日午前6時半に搬送先の病院で亡くなったということです。

また、フィリピンの大統領府は「お悔やみを申し上げるとともに、前大統領の国への貢献と奉仕に感謝の意を示します。すべての国民に祈りをささげるよう呼びかけたい」と声明を出しました。

加藤官房長官「慎んでご冥福をお祈りしたい」

加藤官房長官は24日午後の記者会見で「心からお悔やみを申し上げたい。アキノ前大統領は、フィリピンの経済発展に尽力されるとともに、日本との関係を『戦略的パートナー』に押し上げるなど、両国関係の強化にも貢献された。フィリピンの民主化に貢献されたコラソン・アキノ元大統領とともに、親子二代にわたって大統領を務められた功績は、末永く語り継がれると考えている。改めて慎んでご冥福をお祈りしたい」と述べました。