東京五輪 会場内での酒類販売見送り 飲酒も禁止 大会組織委

観客を入れて開催されることが決まった東京オリンピックの会場内での酒類の販売について、大会組織委員会の橋本会長は「国民に少しでも不安があるならば断念しなければいけないと決断した」と述べ、会場内での酒類の販売を見送り飲酒も禁止することを明らかにしました。

組織委員会は東京大会の会場での観客への酒類の販売や提供について、新型コロナウイルスの感染対策や地域のルールを考慮しながら販売や提供を行うかどうかを慎重に検討してきました。

これに対して会場で酒類が提供されれば感染対策として観客に求めている自宅と会場との「直行直帰」が守られなくなるおそれがあり、感染のリスクが高まるとして医療現場などから見直しを求める声があがっていました。

その結果、組織委員会の橋本会長は23日の記者会見で「より安全で安心な大会を実現するためには、国民に少しでも不安があるならばアルコール類の提供は断念しなければいけないと決断した」と述べ、オリンピックの会場内で酒類の販売や提供を見送る考えを明らかにしました。

オリンピックでは会場に観客が酒類を持ち込むことはもともと禁止されていて、これによって組織委員会は会場内での飲酒も禁止すると発表しました。

会場内の大会関係者向けのラウンジなどでも酒類は提供されないということです。

これらについては会場で酒類を供給する権利を持つスポンサー企業の大手ビールメーカーも、同意しているということです。

来月16日までに観客の上限を判断することになっているパラリンピックについても観客を入れて開催する場合は、オリンピックに準じて会場内の酒類の販売や飲酒は禁止されることになります。

アサヒビール 販売見送りを提言

東京オリンピックの会場内での酒類の販売をめぐる大会組織委員会の決定について、酒類を販売することになっていた大会スポンサーの「アサヒビール」は22日、組織委員会に対して販売を見送るよう提言を行っていたことを明らかにしました。

会社では「今回の決定を支持する。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点や、多くの飲食店で酒類提供が制限されている状況において、販売の見送りは当然と考える。引き続き、組織委員会と連携し、大会の成功を支援していく」とコメントしています。

官房長官 “一般ルール踏まえ適切に対応された”

加藤官房長官は、午前の記者会見で「政府としては、一般ルールを踏まえて適切に対応していただくよう申し上げてきており、そのような形で対応されたものと受け止めている。競技会場での感染防止対策を徹底し、安全安心に競技を楽しんでいただくためにも、ガイドラインに沿って、大会組織委員会において適切に対応していただくことが大切だと考えている」と述べました。