上野動物園 パンダのシンシンが赤ちゃん2頭を出産

東京 上野動物園のメスのジャイアントパンダ、「シンシン」が23日、双子の赤ちゃんを出産しました。上野動物園でパンダの赤ちゃんが誕生するのは「シンシン」が4年前に産んだ「シャンシャン」以来で、双子の誕生は初めてです。

上野動物園で飼育されているジャイアントパンダ、オスの「リーリー」とメスの「シンシン」は、ことし3月に交尾が確認され、先月下旬には「シンシン」に妊娠の兆候が現れ始めました。

このため、動物園では「シンシン」の展示を中止して出産に向けた準備を進めてきましたが、23日午前0時すぎに破水しました。

そして、午前1時すぎに1頭、そして午前2時半すぎにもう1頭の合わせて2頭の赤ちゃんを出産しました。

上野動物園でパンダの赤ちゃんが誕生するのは「シンシン」が4年前に産み、動物園で人気を集めている「シャンシャン」以来で、双子の誕生は初めてです。

母子ともに健康で、1頭は124グラム、もう1頭の体重はまだわかっていません。

2頭とも、性別はまだ分からないということです。

園によりますと、午前9時半の時点では1頭は「シンシン」が右の前足で抱いていました。

また、もう1頭は保育器で管理しているということです。

ジャイアントパンダは、双子を産んだ場合、1頭しか育てないことが多いため、今後は2頭を交代で母親のもとに置き、保育器での人工保育と組み合わせて育てるということです。

動物園では今後、2か月ほどは職員が24時間体制で対応することにしています。

赤ちゃんをいつから公開するかはまだ決まっておらず、同じ施設で生活しているオスの「リーリー」の展示も23日から中止になりました。

2頭の姉となった「シャンシャン」は、別の場所で飼育されているため見ることができますが、現在、上野動物園では新型コロナウイルス対策として1日に入園できる人数を2000人までに制限していて、入園には予約が必要です。

双子の出産を受けて、上野動物園は23日午前10時半から記者会見を開きました。

この中で福田豊園長は「1頭目が生まれたときは、まずはホッとしました。2頭目の報告を受けたときは大変驚き『やったー』とうれしく思いました」と喜びを語りました。

そのうえで「赤ちゃんパンダの成長を通じて、多くの人に楽しみや元気、時には安らぎをお届けすることができればと思います。上野のジャイアントパンダファミリーへの応援を今後ともお願いしたいです」と話していました。

上野動物園とパンダ

上野動物園では、これまでにオス3頭、メス2頭の合わせて5頭のパンダが誕生していて、今回生まれた2頭のパンダで7頭になります。

1980年代には、上野動物園に贈られていたオスの「フェイフェイ」とメスの「ホァンホァン」の間に人工授精で3頭の赤ちゃんが生まれました。

このうち、国内で初めて生まれたオスの「チュチュ」は2日後に死んでしまいましたが、その後、生まれたメスの「トントン」とオスの「ユウユウ」は元気に育ちました。

そして、10年前の2011年にやってきたオスの「リーリー」とメスの「シンシン」の間には、2012年に初めての自然交配でオスの赤ちゃんが誕生しましたが、生後まもなく肺炎で死にました。

その5年後の2017年に生まれた第2子となるメスの「シャンシャン」は、すくすくと育っていて、その愛らしい姿が人気を集めています。

「リーリー」と「シンシン」は、去年から新たなパンダの飼育施設「パンダのもり」で飼育されています。

動物園は、高低差がつけられた「パンダのもり」で2頭が活発に動き回ることで、新たな繁殖につなげたいと考えていました。

パンダの赤ちゃん 今後はどうなる?

東京都と中国側の協定では、赤ちゃんのお母さんの「シンシン」とお父さんの「リーリー」、それに2頭から生まれた赤ちゃんの所有権は中国側にあります。

このため、赤ちゃんは、将来的に中国に返されることになっています。

東京都によりますと、具体的な返還時期については、赤ちゃんが2歳から4歳になるまでの間に中国に返すこととし、都と中国側の双方で協議して決めるということです。
4年前に生まれた「シャンシャン」の場合、都と中国側の協定では、2歳となったおととし返還すると定められていました。

しかし、返還の延期を求める声や、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、専門のスタッフが輸送に同行できなかったことから、協議の結果、合わせて3回延期されました。

このため、返還の時期は当初の予定よりおよそ2年半延びてことし12月末までになっています。

双子のパンダ誕生は約45% まれに3つ子も

上野動物園によりますと、ジャイアントパンダの赤ちゃんが双子で生まれる確率はおよそ45%で、まれに3つ子も生まれるということです。

動物園では、双子の可能性も視野には入れていましたが、実際に生まれるかどうかは事前には分からず、2頭目が生まれた瞬間は飼育員も興奮していたということです。

一般的にジャイアントパンダの子どもは、生後90日から120日で4本足で体を支え歩くようになりますが、歩き方はまだ、おぼつかないとされています。

その後、生後150日ごろには自由に歩き回るようになり、生後180日ごろには木によじ登ったり走ったりできるようになります。

また、個体差は大きいものの8か月から9か月で離乳し、1歳半から2歳で親離れします。

中国外務省「中国と日本の人々の友好を促進する使者に」

「シンシン」が双子の赤ちゃんを出産したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は23日の記者会見で「このよい知らせを聞いて、私たちもとてもうれしい。この2頭の赤ちゃんがたくましく成長していくことを心から祈るとともに、お姉さんのシャンシャンと同じように中国と日本の人々の友好を促進する使者になってほしい」と述べ、期待を示しました。