モスクワ コロナ感染再び急拡大 ワクチン未接種者の生活制限へ

ロシアの首都モスクワでは、新型コロナウイルスの感染が再び急拡大していることから新たな対策が発表され、ワクチンを接種済みなどとする証明がなければ、飲食店を利用できなくなります。

プーチン政権としては、こうした制限の導入でなかなか進まないワクチンの接種を促したい狙いもあるとみられます。

ロシアのモスクワでは、今月19日には、新型コロナウイルスの新規感染者数がこれまでで最も多い9100人を超えるなど、感染が再び急拡大し、市によりますと、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株の割合が急増しているということです。

これを受けてソビャーニン市長は、22日、新たな対策を発表しました。

それによりますと、今月28日から、ワクチンを接種済みか、PCR検査の結果が陰性であることなどの証明がないと、レストランやカフェなど飲食店を利用できなくなるということです。

ロシアでは、プーチン政権が去年8月、ロシア製のワクチン「スプートニクV」を世界に先駆けて承認したと誇示したものの、国内では、ワクチンに対する不信感も根強く、接種した人は10%ほどにとどまっています。

モスクワの市民からは、ワクチンを接種していない人に生活上の制限が生じることに反発する声も聞かれますが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「これが現実だ」と述べ、プーチン政権としては、こうした制限を導入してワクチンの接種を促したい狙いもあるとみられます。