インドネシア 新型コロナ感染再拡大 企業や市民活動の規制強化

新型コロナウイルスの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアで感染が再び拡大し、21日に新たに確認された感染者数は1万4000人余りと過去最多になりました。インドネシア政府は、企業や市民の活動への規制を強化しています。

インドネシアでは一時、一日の新規感染者数は2000人台まで減少しましたが、6月に入って感染が再び拡大し、21日に新たに確認された感染者数は1万4536人と過去最多になり、これまでの感染者数は200万人を超えました。

インドネシア政府は5月のイスラム教の断食月、ラマダン明けの連休で多くの人が移動したことが原因とみていて、インドで確認された変異ウイルスの「デルタ株」も広がっているとしています。

インドネシア政府は22日から、感染拡大が深刻な地域にある一部の企業に対し、在宅勤務の従業員数の割合を75%に引き上げるよう義務づけたり、首都ジャカルタの一部の地域で夜間の移動を制限したりして、企業や市民の活動への規制を強化しています。

インドネシアには、およそ1900社の日系企業が進出していて、JETRO=日本貿易振興機構ジャカルタ事務所の鈴木啓之所長は「ここ数か月は、一時帰国していた駐在員が職場に復帰するなど、日系企業の体制も通常に戻ってきていた。感染が拡大し、さらに規制が強まると、経済活動への影響も甚大になると思う」と話しています。