東京五輪開幕まで約1か月 警視庁が大規模な警備訓練

東京オリンピックの開幕までおよそ1か月となる中、警視庁は22日、競技会場での要人への襲撃やテロを想定した大規模な訓練を行いました。

東京 江東区で行われた訓練には警視庁の機動隊員など合わせて500人余りが参加し、要人の警護、テロリストの制圧、それに暴徒化した観客の制圧の3つの想定が報道陣に公開されました。
このうち要人の警護は、競技会場に車で到着した海外からの要人が何者かに銃撃されたという想定です。

発砲音が鳴り響くと、警護に当たる警視庁のSP10人ほどが犯人を素早く取り押さえるとともに、要人の周りを囲んで安全を確保しながら車の中に避難させました。
また、テロリストを制圧する訓練では、都内を走っていた路線バスが2人組の男に乗っ取られたという想定で、サブマシンガンを装備した特殊部隊が対応に当たりました。

海外では、警備が比較的手薄で一般の人が利用するバスがテロの標的になるケースもあるということで、隊員たちは犯人の説得にあたった後、せん光弾を使って車内に突入し、身柄を確保するまでの一連の流れを確認していました。

21日に開かれた組織委員会やIOC=国際オリンピック委員会など5者による会談で、東京オリンピックの観客は、すべての会場で上限を収容定員の50%以内で1万人を原則とすることが決まりました。

これを受けて、警視庁は競技会場や周辺での具体的な警備計画を策定し、本番に向けた準備を進めることにしています。

五輪の警備 計数万人の態勢も

東京オリンピックの開幕が来月に迫る中で観客の扱いが決まるという異例の事態を受け、警視庁は決定に沿った警備計画を急ピッチで策定するなどの準備に追われています。

東京オリンピック・パラリンピックは、都内を中心に43の競技会場で行われ、警視庁や全国の警察からの応援部隊などが過去最大規模の態勢で会場や周辺の警備に当たることになっています。

このうち、警視庁はテロなどの事態に備えて、銃器で対応する「ERT=緊急時初動対応部隊」や競技会場が集中する臨海部で水上バイクなどに乗り込んで対応にあたる「WRT=臨海部初動対応部隊」といった特殊部隊を待機させ、陸と海の双方から警戒を強化します。

また、各競技会場から最寄り駅までの「ラストマイル」と呼ばれる区間に新たに200台の防犯カメラを設置し、不測の事態に備えるということです。

さらに、車両を使ったテロを防ぐため会場にイスラエル製の特殊な柵を設置したり、不審なドローンの飛行を電波で妨害する「ジャミングガン」と呼ばれる最新の機材を導入したりして対策を徹底する方針です。

こうした計画は東京オリンピック・パラリンピックの延期が決まる前に策定されていて、警視庁は当初の予定どおり実施するとしています。

一方、警備の具体的な規模や配置については観客の人数などに大きく左右されるため、これまで決まっていませんでした。

感染拡大で先行きが見えない中、警視庁はどんな状況にも対応できるよう、会場が満員になるという最大の想定の下で訓練などを重ねてきたということです。

そして、開幕までおよそ1か月となった21日、すべての会場で上限を収容定員の50%以内で1万人を原則とすることが決まったことを受け、警視庁は決定に沿った警備計画の策定を急ピッチで進めています。

警備の具体的な規模は公表されていませんが、関係者によりますと、全国の警察からの応援部隊や民間の警備員を含めると合わせて数万人の態勢になる見通しだということです。

ただ、今後の感染状況によっては無観客とする余地も残されているため、態勢が固まるのは本番直前になるとしています。

警視庁の幹部は「警備の配置の見直しなどやるべきことは山積している。競技会場が広範囲にわたるうえ感染対策や熱中症対策も必要で、サミットの警備とは異なる難しさがあるが、なんとか本番に間に合うよう準備を進めたい」と話しています。

関西空港では爆発物想定し訓練

東京オリンピック・パラリンピックを前に、航空貨物に爆発物が仕掛けられたという想定の訓練が、22日、関西空港で行われました。

訓練は、関西空港にある国際航空貨物会社の倉庫で行われました。

東京オリンピック・パラリンピックを目前に控え、税関や警察など関係機関の連携を確認する目的で、およそ50人が参加しました。

はじめに航空貨物で到着したという想定で、10個余りの段ボール箱を税関職員が放射線測定器やX線検査装置を使って調べます。

乾電池など爆発物らしきものがX線の画像に映っていたため、警察に通報します。

そして、警察は防護服を着た爆発物処理班を派遣し、遠隔操作ができるアームを使って不審な箱をつかみ、鋼鉄製の容器に収納する手順を確かめました。

このあと、爆発物を探知する大阪府警の警備犬2頭がほかの荷物の周りをまわってにおいを嗅ぎ、不審物がないか探す訓練も行われました。

関西空港警察署の前川英明署長は「海外では大きな国際イベントでテロが起きている。水際対策に加わる関係者の責務を果たしたい」と話していました。