「リンゴ日報」資金凍結 香港行政長官 警察の対応を正当化

中国に批判的な論調で知られる香港の新聞「リンゴ日報」が、香港国家安全維持法に違反したとして、資金が凍結されたことについて、香港政府トップは「国家の安全に危害を加えるような行為を美化すべきではない」と述べて、警察の対応を正当化しました。

香港の新聞「リンゴ日報」は、今月、経営や編集のトップ2人が外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えたとして、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法に違反した疑いで起訴されました。

会社としての「リンゴ日報」も起訴され、資金が警察に凍結されました。

このため運営資金が底をつきつつあり、凍結が解除されない場合は、今月26日の朝刊を最後に新聞の発行を停止するほか、インターネットでの記事配信も停止するとしています。

これについて、香港政府トップの林鄭月娥行政長官は22日の会見で「言論の自由を制限するものではない」としつつも「国家の安全に危害を加えるような行為を美化すべきではない。言論の自由を盾に法律違反を許すことはできない」と述べて、警察の対応を正当化しました。

「リンゴ日報」は22日、通常どおり朝刊を発行したものの、インターネット上で運営していたニュース番組などは21日夜、一部の配信を停止しました。

創業者の黎智英氏も、おととしの抗議活動に関連して実刑判決を受けて刑務所に収容されており「リンゴ日報」は政府の締めつけで極めて厳しい状況に追い込まれています。

アメリカ国務省報道官「深い懸念抱いている」

「リンゴ日報」の資金が香港国家安全維持法違反だとして凍結されたことについて、アメリカ国務省のプライス報道官は21日「香港当局による国家安全維持法の運用に深い懸念を抱いている。独立したメディアを恣意的(しいてき)に標的にするなど、恐ろしい方法で使用されている。純粋に政治的な動機によるものだ」と述べ、対応を非難しました。

そのうえで「われわれは引き続き当局に対し、独立したメディアを標的にし、報道の自由を抑え込み、情報の流れを制限することをやめるよう求める」と述べました。

官房長官「普遍的な価値 保障されなくてはならない」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「香港の行政長官の発言のひとつひとつにコメントは差し控えるが、報道や言論の自由を含め、民主主義、人権、法の支配といった国際社会における普遍的な価値は、どの国によっても保障されなくてはならない」と述べました。