池袋暴走事故裁判 被告「心苦しいとは思うが 私の過失はない」

東京 池袋で車を暴走させて母親と子どもを死亡させた罪に問われている90歳の被告の裁判で、21日、遺族による被告人質問が行われ、被告は「心苦しいとは思うが、私の過失はないものと考えています」などと述べました。

旧通産省の幹部だった飯塚幸三被告(90)は、おととし4月、東京 池袋で車を暴走させて歩行者をはね、松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)を死亡させたほか、9人に重軽傷を負わせた罪に問われ、無罪を主張しています。

21日は東京地方裁判所で、被害者参加制度を利用して審理に参加している遺族による被告人質問が行われました。

このうち妻子を亡くした松永拓也さんは「事故当時、あなたは100%ブレーキを踏んだ自信があるのか」などと認識をただしました。

これに対し、飯塚被告は「心苦しいとは思うが、私の記憶では踏み間違いはなかった。私の過失はないものと考えています」などと述べました。

また、真菜さんの父親の上原義教さんからの質問に対しては「2人が亡くなられたことは本当に悔やんでいる。私が車で出なければ2人の命も大丈夫だった。その点は申し訳なく思っています」と述べました。
裁判のあと会見した松永さんは「きょうに至るまで無罪主張は変わらず、信じられないです。証拠と向き合って自身の過失を認めてくれたら、私たちの心情はもっと違うものになっていた。残念だし、怒りを覚えざるをえない」と話していました。

被告運転の車のメーカー トヨタ自動車がコメント

当時被告が運転していた車のメーカー、トヨタ自動車は21日、コメントを発表しました。

車に異常や技術的な問題は認められていないとする一方、今後も事故防止のため安全・安心な車の開発に取り組んでいくとしています。

この中でトヨタ自動車は「今回の事故でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、けがをされた方の1日も早い回復をお祈り申し上げます。被告が裁判の中で、車両に技術的な欠陥があると主張していますが、当局の要請に基づく調査協力の結果、車両に異常や技術的な問題は認められませんでした」としています。

そのうえで「自分たちが製造した車がかかわった事故により、大切な命とご遺族の方々の幸せな日常までもが一瞬で失われたという事実から決して目を背けることなく、こうした悲しい事故がなくなるよう今後とも安全で安心なクルマの開発に全身全霊をかけて取り組んでいきます」としています。