ネットカフェ立てこもり 逮捕の男 横浜の強盗事件にも関与か

さいたま市のインターネットカフェで起きた人質立てこもり事件で逮捕された男の指紋が、事件の4日前に横浜市内のホテルで起きた強盗事件の現場に残されたものと一致したことが捜査関係者への取材でわかりました。

住所不定、無職の林一貴 容疑者(40)は、さいたま市大宮区のインターネットカフェで20代の女性従業員を人質に取って立てこもり、女性に首やひじにけがを負わせたとして監禁傷害の疑いが持たれています。

これまでの調べによりますと、林容疑者は同じフロアを歩いていた女性従業員に「室内のものが壊れた」などと声をかけて個室に呼び、カッターナイフを突きつけて監禁していたとみられています。

その後の調べで、事件4日前の今月13日に横浜市内のホテルで起きた強盗傷害事件にも関わった疑いがあることが、捜査関係者への取材でわかりました。

この事件では風俗店の女性従業員が客の男に手足を縛られたうえ現金およそ30万円を奪われましたが、現場に残された指紋が林容疑者のものと一致したということです。

容疑者はインターネットカフェを転々としていたとみられ、逮捕されたときの所持金は数百円だったということで、警察は立てこもり事件を起こすまでのいきさつについても調べることにしています。

身柄確保まで32時間 なぜ長期化したのか

今回、捜査員が突入して身柄を確保するまで32時間余りかかりました。

長期化した要因の1つには、立てこもった個室の構造がありました。

1. 防音構造の密室で状況わからず

林容疑者が立てこもった個室ブースは、窓のない完全な密室空間で防音構造になっていました。

個室内を映すカメラも設置されておらず、どのような状況で監禁しているのか把握するのが難しかったということです。

2. 狭い室内で危害を示唆

また、個室ブースは広さ3平方メートルほどしかなく人質の女性従業員は容疑者の手の届く距離で監禁されていたとみられます。

林容疑者は、カッターナイフを持ち込んでいて「警察官が近づいたりドアを開けたりしたら殺す」などと突入をけん制する発言を繰り返していたため、女性の安全を優先して慎重な対応を取らざるを得なかったとしています。

3. 目的判然とせず

さらに、目的も判然としませんでした。

立てこもっている間、具体的な要求はほとんどなく、捜査員は30分から1時間に1回程度、連絡を取っていましたが「もうすぐ出る」などと、のらりくらりとかわしていたということです。

専門家「規制 条例なら速やかに対応できる」

今回の事件について、行政法が専門でインターネットカフェの規制に詳しい関東学院大学の出石稔教授は「インターネットカフェが犯罪に利用されるケースはこれまでにもあったが、鍵付きの個室が防犯上の問題となるケースは想定していなかったため驚いている」と述べました。

今回のような密閉された個室は現在の法律の規制の対象になっていないということで、出石教授は「人々の健康や生命に影響を及ぼす可能性があるため法律で規制を検討する必要があるが、条例ならば速やかに対応できる。天井と床の部分に少し隙間をあけるなどプライバシーを確保できる中でバランスのとれた基準を設定する必要がある」と指摘しています。