サッカー南米選手権 選手など82人が新型コロナ陽性

ブラジルで開催中のサッカーの南米選手権「コパ・アメリカ」で、各国の選手やスタッフが新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されるケースが相次いでいます。主催者は「感染対策は厳格に行われている」とする声明を発表していますが、大会の感染対策に従わなかったことを認めるチームも出るなど、対策が徹底されていない実態も浮き彫りになっています。

ことしのサッカーの南米選手権「コパ・アメリカ」は、コロンビアとアルゼンチンの共催で開かれる予定でしたが、国内の政治情勢や新型コロナウイルスの感染状況を理由に両国が開催を辞退したため、急きょブラジルでの開催となり、6月13日に開幕しました。

ところが、開催直後からウイルスの検査で陽性と判定される選手やスタッフが相次ぎ、ブラジルの保健当局によりますと、18日までに陽性と判定された人は82人に上るということです。

ブラジルは新型コロナウイルスによる死者が50万人を超える深刻な状況で、大規模なスポーツ大会の開催には国内の専門家などから懸念の声があがっていました。

一方、ブラジル政府や主催者は大会を無観客としたうえで、関係者の入国や移動の前には検査を行い、行動範囲も宿泊先や練習場、試合会場に限るなどの措置をとり、感染対策は万全だとしています。

主催者は17日に「感染対策は厳格に行われ、ブラジル政府とも緊密に連絡をとっている」と、十分対策をとっていることを強調する声明を発表しましたが、AP通信によりますと、参加国の1つ、チリのチームが、感染対策のルールに違反して外部の人と接触したことを認めるなど、対策が徹底されていない実態も浮き彫りになっています。