ワクチン職域接種 大学でも本格的に始まる

新型コロナウイルスワクチンの企業や大学などによる職域接種が21日から本格的に始まりました。

広島 広島大学

広島大学の東広島キャンパスでは、午前10時から体育館で接種が始まりました。

対象は学生や教職員、それに食堂を運営する会社の社員などおよそ2万人で、初日の21日は1100人が予約をしているということです。

学生たちは医師の問診を受けたあと、会場に設けられた8つのブースでそれぞれ接種を受けていました。

接種にあたるのは大学の医師や看護師、それに歯科医師などで、1日当たりおよそ20人の体制を組み、大学病院などで提供する通常の医療に支障が出ないようにするということです。

大学は、来月2日にかけて、平日は1100人、休日は2500人に1回目の接種を行う予定で、その後、東広島市にある企業などにも職域接種の対象を広げるということです。

接種を受けた学生は「思ったよりも痛くなかったです。飲食業でアルバイトをしているので少し安心しました」と話していました。

広島大学の岡本百合保健管理センター長は「接種が進み集団免疫ができれば、持病などでワクチンを打てない学生にとっても感染予防になります。もとのように対面授業や学生どうしの交流ができるようにしたいです」と話していました。

大阪 近畿大学

大阪の近畿大学でも合わせて3万4000人の学生や教職員を対象に接種を始めました。

近畿大学では、21日から大阪 東大阪市のキャンパスで接種を始め、会場の体育館では学生たちが体調などについて医師の問診を受けたあと、10のブースに分かれ看護師からワクチンの接種を受けました。

そして接種を受けたあとは、別のスペースに移動し、15分間待機して体調に変化がないか確認していました。

近畿大学では、対象者の46%にあたる1万5500人が予約を済ませているということで、夏休みに入る8月上旬までに希望者への接種を終わらせ、その後は接種の対象を地域の住民にも広げることを検討しています。

接種を受けた3年生の男子学生は「痛みもなく、スムーズに接種できてよかったです。オンライン授業ばかりで1年以上友達に会っておらず、早くみんなで勉強がしたい」と話していました。

近畿大学総務部の吉原守課長代理は「ワクチン接種が順調に開始できて安心しています。現在は多くの授業がオンラインで行われているが、接種を進めて対面での授業を再開させたい」と話していました。

関西では21日から、大阪大学や関西大学など少なくとも6つの大学やJR西日本などの大企業でも職域接種を始めることにしています。

埼玉 東京国際大学

埼玉県川越市にある大学では、学生や教職員などを対象に接種が開始されました。

川越市にある「東京国際大学」では留学生を含めた学生や教職員などおよそ7000人のうち希望する人を対象に接種が始まりました。

21日はキャンパス内のラウンジに、接種会場が設けられ、訪れた学生たちは医師免許を持つ教員らによる問診を受けたあと、接種を受けていました。

接種を受けた学生は「一日も早くマスクを外して友人と一緒に対面での授業を受けたいです」とか「昼ごはんも黙食ではなく楽しく会話をしながら食べたいです」などと話していました。

この大学では今年度から対面での授業が再開されましたが、今も定員は半分に制限され、残りの半分の学生はオンラインでの参加を求めているほか、海外への留学プログラムを中止しています。

東京国際大学の金子聡事務局長は「早く安心して授業ができる環境を作りたいと考え職域接種に手をあげました。海外への留学をしたいという学生の希望も実現させてあげたい」と話していました。

この大学では来月中に希望者への接種を完了させる予定で、ワクチンが余った場合は地域住民に接種することも検討しているということです。

少なくとも11都道府県17大学で開始(午前10時時点)

文部科学省の午前10時時点のまとめによりますと、少なくとも11都道府県の17大学で21日からワクチン接種が始まります。

ワクチン接種を開始するのは、
▽北海道の北海道医療大学、
▽宮城県の東北大学、
▽埼玉県の東京国際大学、
▽東京都は3か所で、慶應義塾大学、日本大学、日本体育大学、
▽神奈川県の湘南工科大学、
▽長野県の松本歯科大学、
▽大阪府は5か所で、大阪大学、大阪経済法科大学、関西大学、近畿大学、大和大学、
▽兵庫県の神戸市看護大学、
▽広島県の広島大学、
▽徳島県の徳島大学、
▽長崎県の長崎国際大学、
となっています。

文部科学省によりますと、埼玉県の東京国際大学でも21日から開始されることになった一方、当初予定していた神奈川県の情報セキュリティ大学院大学は、準備の関係で日程が先送りされたということです。