ワクチン職域接種 きょうから本格的に開始

新型コロナウイルスワクチンの企業や大学などによる職域接種が、21日から本格的に始まります。政府は10月から11月にかけて希望するすべての人が終えられるよう接種を加速させたい考えです。

企業や大学などによる職域接種は航空会社など一部で先週から行われていて、21日から本格的に始まります。

政府によりますと、先週18日の時点で全国3400余りの会場で1373万人の接種が予定されていて、21日はワクチンの配送が順調に進めば最大でおよそ260の会場で接種が行われる見通しだということです。

企業の職域接種では従業員とその家族それに取り引き先などのほか、企業によっては会場周辺の住民も対象に加えるところもあります。

政府は中小企業や業界団体なども職域接種をできるように、支援することにしていて、複数の企業がまとまって行う場合には会場を確保する費用の一部を補助することにしています。

そして10月から11月にかけて希望するすべての人が接種を終えられるよう自治体による接種も含めて加速させたい考えです。

一方で、接種していない人が不利益を被ることがあってはならないとして、政府は差別したり圧力をかけたりしないよう情報発信を進めることにしています。

医療機関の支援受け 職域接種準備を進める企業も

ワクチンの職域接種をスムーズに進めるため、医療機関の支援を受けて準備を進めている企業もあります。

居酒屋チェーンなどを展開する外食大手のコロワイドは、首都圏の1都3県で働く社員とその家族それにパート従業員やアルバイトなどのうち希望する6000人にワクチンを接種する計画です。

本社がある横浜市に2か所の会場を設け、このうち本社の会議室には今月18日3000回分のワクチンが届きました。

この会社では横浜市内の医療機関の助言を基に接種会場のレイアウトを決めました。

また会場の運営に必要な人数や事前に準備すべき資料、受け付けから接種後の待機までの流れなど一連の業務をまとめた独自のマニュアルも助言を基にして作り準備を進めてきました。

コロワイドの広報室の高橋敬一郎室長は「自分たちだけで準備するのは難しかったが医療機関の支援がもらえて助かった。今は21日から接種が始められる目安がついてほっとした気持ちだ。ワクチン接種をすることで従業員には安心して働いてもらい、お客様には安心して来店してもらいたい」と話しています。