社会

“困窮原因で治療遅れ死亡”全国で40人 新型コロナが追い打ち

去年、がんなどで死亡した人のうち、経済的な困窮などが理由で治療が遅れたとみられる人が、全国で40人に上るという調査結果を、医療機関などでつくる団体がまとめました。
この調査は、全国の病院や診療所などで作る民医連=全日本民主医療機関連合会が、加盟するおよそ700の医療機関などを対象に行いました。

それによりますと、去年1年間に病気で死亡した人のうち、経済的に困窮したり、国民健康保険の保険料を滞納して保険証がなかったりして治療が遅れたとみられる人は、20の都道府県で合わせて40人に上りました。
死因の63%は「がん」で、医療機関を受診した時点で手術が難しいほど状態が悪化していた人が目立つということです。

また、負債を抱えていた人は全体の35%で、新型コロナウイルスの影響で、収入が減少したり、失業に追い込まれたりしていた人が20%を占めました。

調査を行った民医連は「非正規雇用などもともと経済的に不安定な層にコロナ禍が追い打ちをかけている。今回、把握できたのは氷山の一角で、生活が困窮しても必要な医療を受けられる体制を整備することが必要だ」としています。

コロナ禍で収入失い 入院断った人も

治療が遅れて亡くなったという人の中には、新型コロナウイルスの感染拡大で、突然、収入を失った人たちもいます。

民医連によりますと、60代の歯科技工士の男性は、去年8月ごろからおう吐を繰り返していましたが、収入が減って生活が困窮し、医療機関の受診を控えていました。

その後も症状はおさまらず、翌月になって受診したところ、末期のがんと診断されたということです。

また、糖尿病を患っていた50代の男性は、外国人に日本語を教えていましたが、コロナ禍で生徒数が減少し収入がなくなりました。

体調が悪化して救急搬送され、医療機関から入院を強く勧められましたが、「お金がない」と拒否し、その後、自宅で死亡しているのを家族が見つけたということです。

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