ファイザー製ワクチン ブラジル株に効果期待 東大らのグループ

ブラジルで広がった新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、東京大学などのグループがファイザー社製のワクチンはこの変異ウイルスに対しても効果が期待できるとする実験結果を発表しました。

この研究は東京大学医科学研究所の河岡義裕 特任教授らのグループがアメリカの科学誌に発表したものです。

グループは、過去に従来の新型コロナウイルスに感染したことがあるハムスターにブラジルで広がった変異ウイルスの「ガンマ株」を投与して再感染するかを調べました。

その結果、3日目に鼻から少量のウイルスが検出されたものの6日目には検出されなくなったということです。

一方、一度も感染したことがないハムスターは、投与から6日目でもウイルスが検出されました。

また、ファイザー社製のワクチンを接種した人の血液に含まれる抗体がこの変異ウイルスに対してどの程度効果があるかを調べた実験では、従来のウイルスに対してとほぼ同じレベルの効果が確認されたということです。

グループでは、この変異ウイルスのリスクを評価する上で重要な情報が得られたとしていて、河岡特任教授は「ブラジルで広がった『ガンマ株』に対しては、ワクチンの効果が期待できることが確認された。ただ、変異ウイルスに対しても、まずは基本的な感染対策をしっかりやってほしい」と話していました。