“コロナ禍 子どもの健康悪化か” 4割の学校 調査結果まとまる

新型コロナウイルスの影響で生活環境が変化した結果、4割の学校で、子どもの健康状態が悪化したという調査結果を医療従事者でつくる団体がまとめました。

医師や歯科医師でつくる「全国保険医団体連合会」は、31都道府県の小中学校や高校などの養護教諭を対象に昨年度の健康診断の結果などを調査し、21%にあたる4923校から回答を得ました。

この中で「新型コロナウイルスの感染拡大による子どもへの影響があった」と答えた学校は40%でした。

具体的な内容を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは「肥満の子どもの増加」で46%、次いで「視力の低下」が36%でした。

食生活の乱れや外出の自粛に加え、一斉休校などの影響で、ゲームに費やす時間が増えたことなどが理由として挙げられているということです。

また、「保健室の利用の増加」が19%、「虫歯がある子が増えた」という学校は14%でした。

歯科健診で「医療機関を受診する必要がある」と診断された児童・生徒のうち、受診していない子どもの割合は62%で前年を5ポイント上回り、コロナ禍での受診控えが背景にあると見られています。

調査に参加した東京歯科保険医協会の橋本健一理事は「健康状態が悪い子どもは、ネグレクトをされていたりと家庭環境に問題を抱えていることも多い。休校などで支援の手が届きづらくなって健康状態が悪化したと見られ、速やかな対策が必要だ」と指摘しています。