世界の難民や国内避難民 過去最多の8240万人に UNHCR

紛争などで住む家を追われた難民や国内避難民の数は去年、8240万人と過去最多となりました。新型コロナウイルスによる影響で移動が制限される中であっても内戦や混乱によって増え続けています。

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は今月20日の「世界難民の日」を前に18日、最新の報告書を公表しました。

それによりますと、紛争や迫害などによって国外に逃れた難民や家を追われた国内避難民などは去年末の時点で8240万人近くと前の年より290万人増えました。

難民と国内避難民を合わせた数は9年連続の増加となり、これまでで最も多くなりました。

このうち最も多くの難民が出ているのは、内戦が続く中東シリアの670万人、また、政治的な混乱が続く南米ベネズエラから国外に逃れた人は400万人、ミャンマーから隣国バングラデシュなどに逃れたイスラム教徒の少数派ロヒンギャの人たちなどは110万人となっています。

報告書によりますと、去年は新型コロナウイルスの影響で一時、160を超える国が国境を閉鎖したことなどから、難民の移動は例年よりも大幅に減少した一方、世界的な感染で移動が制限される中であっても、なかでも国内避難民は内戦や混乱によって増え続けています。

UNHCRはトルコやコロンビアなど一部の国が多くの難民などを受け入れ重い負担がかかっているとして、難民の受け入れ国を国際的に支援していく必要があると訴えています。