聖火リレー 19日から宮城県 気仙沼市や石巻市など4市町で

東京オリンピックの聖火リレーは19日から3日間、宮城県で行われます。初日の19日は、10年前の東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼市や石巻市など沿岸部の4つの市と町で聖火をつなぎます。

東京オリンピックの聖火は、岩手県から宮城県へ引き継がれ、19日から21日までの3日間、震災の津波で被災した沿岸部を中心に16の市町村で合わせて281人のランナーが聖火をつなぎます。

初日の19日は、午前10時から気仙沼市の災害公営住宅「市営鹿折南住宅」で出発式が行われたあとリレーが始まり、南三陸町、石巻市、女川町の4つの市と町をめぐります。

このうち気仙沼市では日本が参加をボイコットした1980年のモスクワオリンピックでフェンシング日本代表だった千田健一さんなどが走る予定です。

震災を語り継ぐ活動に取り組む人たちもランナーに選ばれていて、石巻市では津波で児童や教職員合わせて84人が犠牲となった大川小学校で娘を亡くした男性や、自宅の跡地に「がんばろう!石巻」という看板を掲げる男性などがランナーを務めます。

ルートにも特徴があり、旧北上川では「孫兵衛船」と呼ばれる手こぎ船で聖火が運ばれるほか、前回の東京オリンピックの象徴とも言える旧国立競技場の聖火台が設置されていた石巻市総合運動公園で聖火をつなぎます。

そして女川町では被災地の支援活動を続けている仙台市出身のお笑いコンビ、サンドウィッチマンの2人もランナーを務め、午後6時すぎに最後のランナーがJR女川駅に到着する予定です。

大会の組織委員会や県の実行委員会は、感染対策として聖火リレーはインターネット中継で見守るよう勧めているほか、沿道での観覧は地元の住民のみとし、マスクをして大声を出さずに拍手で応援することなどを呼びかけています。