文科省 「慰安婦」閣議決定受け教科書会社対象に異例の説明会

ことし4月、政府が「従軍慰安婦」という用語は誤解を招くおそれがあるとして、「慰安婦」という用語を用いることが適切だとする閣議決定をしたことを受け、文部科学省が社会科の教科書を発行する会社に対し記述の訂正申請に関する異例の説明会を開いていたことがわかりました。

政府はことし4月、慰安婦問題をめぐり「従軍慰安婦」という用語を用いることは誤解を招くおそれがあるとして「慰安婦」という用語を用いることや、太平洋戦争中の「徴用」をめぐって、「強制連行」や「連行」ではなく「徴用」を用いることが適切だとする答弁書を閣議決定しました。

これを受け文部科学省は先月、中学の社会科や高校の地理歴史、公民科の教科書を発行する会社を対象にオンラインで説明会を開催し、15社の担当者が参加する中、閣議決定された見解について説明したということです。

教科書の記述をめぐっては、2014年の検定基準の改正で歴史や公民などで政府の統一的な見解がある場合はそれを取り上げることなどが盛り込まれています。

文部科学省によりますと、説明会では今回の見解をうけ「従軍慰安婦」などの記述を訂正する場合の例として今月末までに申請する日程を示したほか、教科書会社から「訂正申請をしなければ勧告の可能性もあるか」と質問が出たのに対し「そうした措置もあり得る」と回答したということです。

文部科学省教科書課は通常はこうした説明会は行っておらず、検定基準の改正後、初めてだとしたうえで「訂正申請を強く求めたわけではなく、あくまで閣議決定の内容を周知するために開催した。各社で検討してほしい」とコメントしています。

教科書会社からは「前例のない説明会で日程や勧告の話になり、訂正への圧力を感じた」という声も出ていて、説明会のあと教科書会社など出版関連の労働組合が国に今回の閣議決定の撤回を求める抗議文を送っています。