【会見詳細】組織委 橋本会長会見 “観客上限で21日5者会議”

東京オリンピック・パラリンピックに伴う新型コロナウイルスの感染拡大のリスク評価について政府の分科会の尾身会長など専門家の有志から提言を受けた大会組織委員会の橋本会長の記者会見が午後7時すぎから始まりました。

提言では「無観客開催が最も感染拡大リスクが少なく望ましい」としたうえで、観客を入れるのであれば、現行の大規模イベントの開催基準より厳しい基準を採用すべきだなどとしています。

政府やIOCなど5者による会談 今月21日に開催へ

東京大会の観客数の上限について、橋本会長は、これを決める政府やIOCなど5者による会談を今月21日に開催すると明らかにしました。

「多くの点で共通の認識をもった提言」

橋本会長は、政府の分科会の尾身会長など専門家の有志からの提言について「組織委員会がこれまで熟慮してきた内容と多くの点でかみあっていて、リスクに関わる多くの点で共通の認識をもった提言だと感じた。今後、IOC=国際オリンピック委員会やIPC=国際パラリンピック委員会にも共有させていただく」と述べました。

「エビデンス そろってきた」

橋本会長は「来日する大会関係者の人数削減など3つの徹底を推進したところ、多くの人々の協力によってすべての参加者を受け入れていただく国民にとって安全安心な大会が開けるエビデンスがそろってきた」と話しました。

そのうえで「関係自治体の首長とは連係を密にし、尾見会長の提言やその後の専門家のラウンドテーブルでも多くの意見を伺った。来週の月曜日には政府やIOCなど5者の協議を開催し政府の方針を踏まえたうえで観客の上限について決めていきたい」と説明しました。

「最大限の努力 5者協議でしていきたい」

また無観客と有観客では、どちらが感染のリスクが高いかを問われたのに対して「尾身会長からの提言で無観客が望ましいという提言をもらった。より感染リスクを避けるには無観客が望ましいと思っているが、他方で、観客を入れた場合についての提案も示された。Jリーグやプロ野球がしっかりとしたエビデンスを作ってきた実績がある。それと同時に、オリンピックとパラリンピックは特別なものであるので、より厳しい制限をかけるべきだというのも理解している。より厳しい条件でどのようにしていくのか、受け入れ態勢を国民に理解していただくために最大限の努力を5者協議でしていきたい」と述べました。

「状況 変わっていく時には無観客も覚悟」

さらに観客数などの考え方について「当初から政府が示す上限にのっとって、それに準じて決定していきたいと話してきた。50%、1万人と政府が示しているがオリンピック・パラリンピックに関しては、それよりも厳しい条件を尾身会長から求められているので、それを踏まえながら、よく協議して決めたい。さらに感染の状況が変わっていく時には無観客も覚悟しないといけないと考えながら、シミュレーションしていきたい」と述べました。

「“非常に厳しい”との判断下されれば観客入れることできず」

そして橋本会長は「オリンピック、パラリンピックを見たいという観客がいるかぎり、最後まで、リスクをできるだけ払拭し、最後まで探ることも組織委員会の仕事だ。安全を確保して、安心につながるのであれば、他のスポーツと同様に観戦していただきたいので最後まで協議したい。しかし、非常に厳しい状況だという判断が下されれば観客を入れることはできない。最後まで、努力して行きたい」と述べました。

尾身会長提言「アドバイスいただいたのはありがたい」

橋本会長は「尾身会長からのお話しの中で、非常に印象残っているのは、このオリンピックパラリンピックの開催意義は非常に大きなものであると認識していただいていたこと。国際的な約束である東京大会は、誰もが楽しみにしているので、より安心安全が保たれた中で開催されるべきだと言っていただいたこと。厳しい条件を課されながらどのように大会を開催していくべきかアドバイスをいただいたのはありがたい」と述べました。

そのうえで「直接見る人よりもテレビで観戦する人が多く、新しい見せ方はあると思うので日本のテクノロジーを活用し、見せるオリンピックというアドバイスをいただいた。組織委員会も準備をしているところだったので非常に心強く思った」と述べました。

観客の扱い「ここが最終決断のとき 2日間でしっかり準備」

観客の扱いの判断の時期について「状況判断するのが難しく、ここまで伸ばすことになったがさまざまなシミュレーションをして準備してきた。ここが最終決断のときでこの2日間でしっかり準備して月曜日の五者協議に臨みたい。観客について決定ができたらそれぞれのポジションでまい進できる。状況が変化することで観客数は当然、変わっていくものだろう。その点についても綿密に打ち合わせたい」と話しました。

また、ルールを違反した際の制裁措置については「制裁措置は加えたくないが、国民の安全安心を確保するためには厳しさも示していくことによって理解を得る必要がある。さまざまな状況に対応するために制裁措置を設けることをご理解いただけるよう、努力したい」と述べました。

武藤事務総長「“学校連携チケット”できるだけ生かす」

また大会組織委員会の武藤事務総長は、学校連携チケットの扱いについて「これからの検討課題だが若い世代の人が見て一生の思い出になるようなスポーツの力を感じていただくという意義もあるのでできるだけ生かすことができないかと思っている」と述べました。

また、スポンサーに配分されるチケットに関しては「スポンサーは権利としてチケットの配分を受けるということがあるので、その権利は大事にしていかないといけないと思う」と説明しました。

インドやその周辺国からは「入国前後10日隔離前提に」

また武藤事務総長は、海外から訪れる関係者の隔離期間について、「具体的にインドやその周辺の国からの入国については、10日の隔離を前提に入国する前の7日間は自国で隔離状態に入っていただく。これはわれわれがきちんと実行されているかチェックできるようにしたい。そのうえで来日して3日間の隔離を国内で行う。要するに10日間の隔離が実現するような形で大会時にアスリートなどが競技に参加できることを考えている。政府などと調整していてそういう方向でだいたい了解を得つつある」と説明しました。

そのうえで、高谷スポークスパーソンは「イギリスは6日間の待機で、考え方はまったく一緒だが、日本への出発前に隔離してもらう期間は3日間になる」と話しました。