“宣言”解除 飲食店の営業時間・酒類提供 どうなる?

緊急事態宣言の解除に伴い、政府は、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、まん延防止等重点措置に移行した地域では、一定の要件を満たした飲食店で酒類の提供を午後7時まで可能とした一方、地域の感染状況に応じ、知事の判断で制限することを可能とする方針などを盛り込んでいます。
飲食店の営業時間や酒類の提供などはどうなるのか、各都道府県の対応です。

東京 利用は2人まで 滞在時間90分まで

東京都は、まん延防止等重点措置に移行する来週21日から飲食店での酒の提供を認める一方、酒を提供する店に対しては、感染防止対策を担う責任者を「コロナ対策リーダー」として都に登録することや、利用を1グループ2人まで、滞在時間を90分までとするなどの制限を設けます。

東京都は、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行する来週21日から行う措置を決めました。

措置の対象となるのは、23区と檜原村と奥多摩町を除く多摩地域です。

このうち飲食店に対しては、引き続き午後8時までの営業時間短縮を要請したうえで、酒の提供を認めます。

ただし、酒を提供する店は、感染防止対策を担う責任者を「コロナ対策リーダー」として都に登録し、研修を受けたうえで、注文を午前11時から午後7時までとし、利用を1グループ2人まで、滞在時間を90分までにする制限を設けます。

都内では、3回目の緊急事態宣言が出されたことし4月25日から酒を提供する飲食店への休業要請が続いていて、制限はあるものの提供が可能になるのはおよそ2か月ぶりです。

ただし、都は、感染状況が悪化した場合には酒の提供の全面停止を要請するとしています。

また、デパートなどの大型商業施設に対しては土日の休業要請は行わないものの、営業時間は午後8時までとするよう要請します。

このほか、イベントについては、人数の上限を5000人とし、収容率は、大声での歓声や声援がないものは100%以内、あるものは50%以内とするよう要請します。

さらに、都民に対しては、日中も含めた不要不急の外出と移動を自粛し、特に都道府県をまたぐ不要不急の移動は極力、控えるよう引き続き求めます。

都 来月11日までに体制増やし対象の約7万店見回りへ

東京都はまん延防止等重点措置の期間中、都内の飲食店を回り、感染対策に加えて、酒を提供する場合の利用人数や滞在時間などの制限を守っているかについても確認することにしています。

都内で酒を提供する飲食店はおよそ11万店あり、都は、ことし4月から飲食店などを回って感染対策がとられているか点検してきました。

しかし、休業要請で店を閉じていたためまだ見回りができていない店などがおよそ7万店に上っていて、こうした店を今回の確認の対象とするということです。

確認を行う期間は、重点措置が終わる来月11日までのおよそ3週間で、都は、見回りの体制を増やして対象のおよそ7万店すべてを回りたいとしています。

一方、これまでに感染対策の点検を済ませた店については再度の見回りは行わないとしています。

飲食店の「コロナ対策リーダー」対象にワクチン接種も

さらに都は、制限を設けた酒の提供などの要請に応じたうえで、感染対策が十分にとられていることを都が確認した飲食店の「コロナ対策リーダー」を対象にワクチン接種を行います。

都は、営業時間の短縮などの要請に協力している飲食店を訪れ、感染対策が十分にとられているか点検して「感染防止徹底点検済証」を交付しています。

都は、こうした店舗で感染防止対策を担う責任者として都に登録している「コロナ対策リーダー」を対象にワクチン接種を行います。

接種を受けられるのは、今月21日からのまん延防止等重点措置のもとで、午後8時までの営業時間の短縮要請に応じたうえで、都が求めた制限を実施している店です。

接種は、新宿区にある都庁第一本庁舎45階の南展望室に新たに設けられる会場で今月25日から始めます。

都は今後、接種の対象を「コロナ対策リーダー」以外の従業員にも広げていきたいとしています。

事業者に協力金支給へ

一方、都は、来週21日からまん延防止等重点措置のもとで営業時間の短縮要請に全面的に応じた事業者に対して協力金を支給します。

このうち、飲食店への協力金は、事業規模や売り上げの減少の幅に応じて店舗ごとに1日当たり3万円から20万円です。

また、大規模施設やテナントに対しては、面積と短縮した時間などに応じて金額を算出して支給します。詳細は、都のホームページなどで確認してほしいとしています。

また、都は休業や営業時間短縮の要請に応じた事業者への協力金について、審査態勢を拡充するなどして、これまでより1か月以上早い支給を目指すと発表しました。

東京都の協力金をめぐっては、要請の期間が終わってから申請を受け付けるまでの日数が徐々に長くなっていて、事業者から「支給が遅い」という声が相次いでいます。

このため、都は、できるだけ早く協力金を支給するため、審査態勢を拡充するなどして手続きを迅速化すると発表しました。

受け付けの期間も早め、4月12日から5月11日までの要請分は、これまで予定していた今月30日から21日に前倒します。

また、申請の受け付け開始の時期が決まっていなかった5月12日から31日と、6月1日から20日の2回の要請分は、来月中にまとめて始めるということです。

こうした対応を進めることで都は、これまでより1か月以上早い支給を目指すと説明しています。

小池知事「厳しい感染状況を踏まえ強い措置」

緊急事態宣言からまん延防止等重点措置に移行する来週21日から東京都が行う措置を決定したことを受けて、小池知事は18日夜、臨時の記者会見を開きました。

このなかで、小池知事は「厳しい感染状況を踏まえ、特別措置法に基づいて強い措置を講じていく」と述べました。

また、「きょうの新規感染者数は453人と高い水準で、前の週からの増加比は100.7%となり、下げ止まっている。改めて気を引き締めて感染防止に努めていく必要がある」と述べました。

そのうえで、小池知事は「措置のポイントの1つ目は、人の流れの抑制や基本的な感染防止対策の徹底で、2つ目はワクチン接種の加速だ。この2つの措置によって、何としても感染の再拡大を食い止めていかなければならない」と述べました。

大阪 酒類提供は原則1グループ2人上限

まん延防止等重点措置への移行を受けて、大阪府は、重点措置の対象地域を府内の町と村を除く33の市としたうえで、地域内の飲食店などに対し、来週21日から一定の条件付きで、酒類の提供を午前11時から午後7時まで認める方針を決定しました。

大阪に出されている緊急事態宣言について、政府は、期限の20日で解除し、来週21日から来月11日までの期間、まん延防止等重点措置に移行させることを決めました。

これを受けて、大阪府は18日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、冒頭、吉村知事は「リバウンドは絶対に防がないといけない。飲食店への要請は、原則、酒類の提供の自粛は続けるべきだが、例外的に感染対策を徹底して『ゴールドステッカー』を取得した店舗などは、午後7時まで2名の客に限ってお酒の提供を認めるべきだ」と述べました。

そして会議では、重点措置の対象地域を、府内の町と村を除く33の市としたうえで、地域内の飲食店などに対し、感染対策に取り組んでいることを認証する府の「ゴールドステッカー」の交付を受けているか、ステッカーの申請を行っている店にかぎり、原則1グループ2人を上限に、来週21日から、酒類の提供を午前11時から午後7時まで認める方針を決定しました。

営業時間については、引き続き、午後8時までに短縮するよう要請します。

また、対象地域に指定しない10の町と村の飲食店などには、酒類の提供については同じ条件付きで午後8時まで、営業時間は、午後9時までとするよう要請します。

一方、カラオケ設備の利用については、府内全域で、引き続き自粛を要請します。

また、百貨店などの大規模施設への土日の休業要請は解除する一方、引き続き、営業時間は午後8時までとするよう要請します。

土日に開かれるイベントの無観客での開催要請は、解除します。

さらに、小中学校や高校の部活動も通常での活動を認めるほか、大学へのオンライン授業の要請も解除することを決めました。

大阪 吉村知事「感染対策と社会経済を両立」

大阪府の対策本部会議のあと、吉村知事は記者団に対し「来週21日から重点措置の期間に入るが、感染対策を徹底して大きなリバウンドを起こさせない、もと来た道を戻らないよう協力をお願いしたい」と述べ、府民に対し引き続き感染対策を徹底するよう強く呼びかけました。

また、一定の条件付きで酒類の提供を認める方針を決めたことについて「原則、自粛の要請を続けるべきだと思っているが、お酒の提供ができないと商売としては厳しいという声があるのも事実だ。感染対策と社会経済を両立させるという観点から、徐々に社会を元に戻し、ワクチンも広げていくという両にらみの方向で進めていきたい」と述べました。

さらに吉村知事は、今後、感染の急拡大の兆候が見えた場合の対応について「重点措置の中で対策を強化することも重要で、機動的に判断したい」と述べました。

大阪 ミナミ 全面的な営業再開を見送る飲食店も

大阪府で緊急事態宣言が解除されても飲食店での酒類の提供が午後7時までとなったことで、全面的な営業再開を見送る飲食店もあります。

大阪・ミナミで居酒屋や洋食店など5つの店舗を経営する会社では、緊急事態宣言を受けてすべての店舗で休業してきました。

宣言の解除に向けてこの会社では営業が再開できると期待し、今週からは社員を短時間だけ出勤させて店内やちゅう房の清掃、食器類などの準備を進めていました。

しかし、まん延防止等重点措置に移行したことで、大阪市などでは酒類の提供が午後7時までとなったことに会社の担当者は先行きへの不安を感じているといいます。

店舗の売り上げのうち酒類の割合は4割ほどを占め、午後7時までしか提供できないとなると多くの来店客は見込みにくいということです。

このため、この会社では全面的な営業再開を見送り、来週後半から日中の売り上げが多い店舗などに絞って営業を再開することにしています。

会社では店舗の休業などに伴う自治体からの協力金を申請していますが、2月分の協力金の大半が今月になってようやく振り込まれたといいます。

店舗の売り上げは、平均すると新型コロナの感染拡大前と比べて70%以上減少しています。

会社では売り上げを確保しようと通信販売向けのメニューを増やすことを検討しているということです。
運営会社Fioーholdingsの佐藤深幸マネージャーは「酒を出せる時間が短いので営業自体がかなり厳しい状況です。きょうあすに店舗を開けられるかどうかより、その先どうなっていくかが見えない状況です」と話していました。

北海道 一定要件満たせば酒類提供 午後7時まで可能

まん延防止等重点措置への移行について鈴木知事は、18日の道議会の一般質問で、札幌市を重点措置の対象地域とし今月21日以降、市内の飲食店などに対して午後8時までの営業短縮を引き続き要請したうえで、一定の要件を満たせば、酒類の提供を午後7時まで可能とする方針を明らかにしました。

この中で、鈴木知事は、まん延防止等重点措置への移行について「大きな感染のリバウンドを回避するため、来月11日まで道民とともに緊張感を持って取り組みたい。道の中心都市であり、ほかの地域との人の往来も多い札幌市の感染拡大を考慮することが極めて重要だ」と述べ、札幌市を重点措置の対象地域とする考えを示しました。

そのうえで、市内の飲食店などへの要請について「これまで酒類を提供する店舗には休業を要請していたが、感染防止策について一定の要件を満たした店舗では午後7時まで酒類の提供を可能とすることなどを検討している」と述べ、午後8時までの営業短縮を引き続き要請したうえで、一定の要件を満たせば、酒類の提供を午後7時まで可能とする方針を明らかにしました。

北海道は、緊急事態宣言のもとで札幌市とともに「特定措置区域」に指定してきた石狩地方と小樽市、それに旭川市について政府との協議を踏まえ、対策の緩和は段階的に進める必要があるとして、飲食店などに対し営業を午後9時まで、酒類の提供は午後8時までに短縮するよう要請する方針です。

京都 条件付きで酒類提供認める

まん延防止等重点措置への移行を受けて、京都府は、対象地域を京都市に限定したうえで、市内の飲食店などに対し、酒類の提供を一定の条件付きで、午前11時から午後7時まで認めることを決めました。

京都などへの緊急事態宣言が期限の20日で解除され、来週21日から来月11日までの期間、まん延防止等重点措置に移行されることを受けて、京都府は、18日、対策本部会議を開いて新たな措置を決定しました。

重点措置の対象地域は京都市に限定したうえで、市内の飲食店などに対し、酒類の提供については、換気の徹底や食事中以外のマスク着用の推奨、同じグループでの飲食は原則4人以内とするなどの条件付きで、午前11時から午後7時まで認めることを決めました。

営業時間については引き続き、午後8時までに短縮するよう要請します。

一方、京都市以外の25の市町村の飲食店などに対しては、酒類の提供を感染対策の条件付きで午前11時から午後8時半まで、営業時間は午後9時までとするよう要請します。

また、百貨店などの大規模施設への土日の休業要請は解除する一方、生活必需品の売り場を除いて、平日も含めて夜8時までの営業時間の短縮を求めていくことを決めました。

京都 西脇知事「制限がなくなると緩む」

京都府の西脇知事は対策本部会議のあと記者会見し「飲酒の機会に感染リスクが高いのは分かっているが、今の感染状況を踏まえれば、全面的に酒類の提供を禁止することまでは必要ないと考えた。酒類の提供には感染対策として一定の条件を設け、厳しい内容になっているが、感染の再拡大を防ぐために有効だと考えている」と述べました。

そのうえで「何も制限がなくなると、明らかに緩んだ感じが出てふさわしくないと思っており、徐々に緩和すべきだと考えている。感染者数は、いわゆる『第3波』より下がりきっておらず、インドで広がる変異ウイルスや人の流れも増えているため、リバウンドを招かないという強い決意のもとに、感染拡大の防止に努めていただきたい」と述べ、府民に協力を呼びかけました。

愛知 午後7時まで酒類提供 認める

愛知県は、緊急事態宣言が解除され、今月21日からまん延防止等重点措置が適用されるのを受け、県の対策本部会議を開き、名古屋市など14の市と町を重点措置の対象地域として、飲食店に対する営業時間短縮の要請などを続ける一方、午後7時までは酒類の提供を認めることを正式に決定しました。

18日開かれた県の対策本部会議で大村知事は「オリンピックもあることから、お盆の時期は感染が再び拡大して非常に厳しい状況が予想されるので、重点措置の期間でさらに感染を抑え込んでいきたい」と述べました。

そして名古屋市など14の市と町を重点措置の対象地域としたうえで、これらの地域の飲食店に対し、引き続き営業時間を午後8時までとするよう要請する一方、現在は自粛を求めている酒の提供を午後7時まで認めることを正式に決定しました。

またこれ以外の地域の県内の飲食店に対しては、営業時間を午後9時までとするよう要請するとしています。

会議の中で国立病院機構名古屋医療センターの長谷川好規院長は、インドで確認された変異ウイルスのデルタ株の感染が拡大していることに触れたうえで「第5波が来る可能性が高い。特に、ワクチン接種を受けていない幼い子どもを守るために適切な対策をお願いしたい」と県に求めました。

また、愛知県病院協会の細井延行副会長は「小児科のある病院では、乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルスの感染が非常に増えていることもあり、医療従事者は全く安心していないのが実情だ」と指摘しました。

“宣言”解除 広島・岡山 対策継続

緊急事態宣言が解除される広島県と岡山県では、解除後も飲食店に営業時間の短縮を要請するなど感染拡大を防ぐための対策を継続することにしています。