「京都賞」中国のコンピューター科学者など3人が受賞

科学や芸術の発展に貢献した人に贈られる「京都賞」のことしの受賞者に、情報セキュリティーやビッグデータの処理など情報科学の発展に力を尽くした中国の研究者など3人が選ばれました。

京都賞は、京都の稲盛財団が科学や芸術の発展に貢献した人に贈る国際的な賞です。

去年は新型コロナウイルスの影響で授賞が見送られたため、発表は2年ぶりで、18日に財団が3つの部門の受賞者を発表しました。
▽先端技術部門では、中国のコンピューター科学者で清華大学学際情報学研究院の院長を務めるアンドリュー・チーチー・ヤオ博士(74)が選ばれました。

計算や通信に関する革新的な理論モデルを構築し、情報セキュリティーやビッグデータの処理など、現代社会を支える技術に大きな影響を与えたとして評価されました。
▽基礎科学部門では、アメリカの生化学・分子生物学者で、ロックフェラー大学教授のロバート・レーダー博士(79)が選ばれました。

細胞が分化する際に、DNAから遺伝情報を取り出す「転写」と呼ばれる機能に関わる複数の酵素やたんぱく質を実験によって明らかにし、生命科学の発展に大きく寄与したということです。
▽思想・芸術部門では、フランスの哲学者で、パリ政治学院名誉教授のブリュノ・ラトゥール氏(73)が選ばれました。

科学技術は、研究者だけでなく自然や社会制度などが混じり合って生まれるという新しい考え方を提唱し、人間中心に捉えてきた、これまでの発想を見直す哲学を展開しました。

ことしは感染拡大防止のため授賞式や関連行事は行われず、代わりに受賞者による記念講演の動画が、ことし11月、オンラインで配信される予定です。