船舶の温室効果ガス削減義務づける 新たな国際ルールを採択

国際的な物流を担う船舶の温室効果ガスの削減を義務づける新たな国際ルールが採択され、2年後の2023年に規制が始まることが決まりました。

新たな国際ルールは、国連の専門機関IMOの海洋環境保護委員会で日本時間の17日夜遅く審議・採択されました。

新たに造る船だけでなく、すでに運航している船にも温室効果ガスの削減を義務づけることになります。

方法は、船の種類や大きさごとに一定の削減目標値を定め、速度を制限することなどによって燃料の消費量を減らすとしています。

また、実効性を持たせるため各国の監督官庁が船ごとの1年間の燃費実績を調査して格付けし、評価が低い場合は改善計画を提出させるとしています。

審議では、格付けの基準となる燃費実績を巡り、途上国とより厳しい値を求めるアメリカやヨーロッパなどとの間で意見が分かれましたが、最終的に合意し、規制は2023年に始まることになります。

IMOの委員会の議長を務めた、国土交通省海事局の斎藤英明技術審議官は「脱炭素化に向け、各国の目標はより踏み込んだ内容に変わってきている。IMOとしてもさらに進んだ目標を設定し、それを達成するための議論を深めていきたい」と話していました。

委員会では、脱炭素化に向けた研究開発などを支援するため、基金を創設することが日本主導で提案され、議論を続けていくことになりました。

国交省「次世代船舶」の技術開発を加速

国際的な物流を担う船舶の温暖化対策をリードしようと国土交通省は、二酸化炭素を排出しないアンモニア燃料船などの「次世代船舶」の技術開発を加速し、実用化を進める計画の案を先月公表しました。

この中で「次世代船舶」として、アンモニア燃料船と水素燃料船、それにメタンの排出をおさえたLNG燃料船を挙げ、それぞれでエンジンや燃料供給システムなどの開発・実証を進めるとしています。

このうち、アンモニア燃料船は2028年までのできるだけ早くに商業運航を、水素燃料船は2030年までに実証運航を完了させることを目標にしています。

海運大手各社も温暖化対策として、2050年までに商船三井が温室効果ガスの排出量を実質ゼロに、川崎汽船が2008年の半分に、日本郵船が二酸化炭素の排出量を2015年の半分にするという目標を掲げ、取り組みを進めています。