さいたま 人質立てこもり事件 通報から丸1日以上 警察が説得

さいたま市大宮区にあるインターネットカフェで、17日から丸1日以上、客の男が20代の女性従業員を人質に取って立てこもりを続けています。

2人は立てこもっている個室ブースから一度も出てきていないということで、警察は軽食や飲料水を差し入れるなどして説得を続けています。

17日午後2時ごろ、さいたま市大宮区のビルに入っているインターネットカフェで、40代とみられる客の男が7階にある個室ブースの中に20代の女性従業員を人質に取って立てこもりました。

警察によりますと、その2時間後の17日午後4時ごろ「女性従業員が客に呼ばれて個室ブースに入ったまま帰ってこない」などと通報があり、発覚したということです。

立てこもりは丸1日以上続いていますが、これまでのところ女性がけがをしているという情報は入っていないということです。

個室ブースは鍵がかかり、防音の構造になっていて、2人ともブースからは一度も出てきていないということで、警察は軽食や飲料水を差し入れるなどして説得を進めていますが、男からの具体的な要求もなくこう着状態が続いています。

現場は、JR大宮駅西口から200メートルほど離れたところにあるビルで、インターネットカフェは6階と7階にあります。

現場のインターネットカフェは

現場のインターネットカフェは、JR大宮駅から西に200メートル余り離れた商業施設やビルなどが建ち並ぶ繁華街にあります。

インターネットカフェのホームページによりますと、店舗はコンビニエンスストアや飲食店などが入るビルの6階と7階で、個室ブースのほか、シャワールームなどの設備があるということです。

利用者「事件を聞いて信じられない思い」

現場のインターネットカフェを利用したことがあるという、近くに住む20代の大学生は「ネットで事件を知って様子を見に来ました。個室ブースの中は2人でいるには狭いので、すごく怖い思いをしているのではないかと思います。学生がレポートを書いたり、ビジネスマンが利用したり、部屋に鍵をかけて月額で利用できる店舗になっています。ふだんはにぎわいのある街なので事件を聞いて信じられない思いです」と話していました。

また、インターネットカフェをよく利用するという、50代の男性は「仕事の関係で週の半分くらい利用します。ホテルみたいにきれいで、スーツケースを持った会社員などがよく利用していました。きょうも泊まろうと思って来たが、この状態だったのでびっくりしました」と話していました。

これまでの経緯

警察によりますと、事件が発覚したのは17日午後4時ごろ。

さいたま市大宮区のビルに入るインターネットカフェの店員から「女性従業員が客に呼ばれて個室ブースに入ったが帰ってこない」などと警察に通報がありました。

警察官が現場に駆けつけたところ、7階にある個室のブースで客の40代とみられる男が20代の女性従業員を人質に取って立てこもっていたということです。

警察によりますと、インターネットカフェの7階のフロアには37部屋があります。

男は17日の午前10時ごろ来店したとみられ、立てこもっている個室ブースは3平方メートルほどの広さで、鍵がかかり、防音の構造になっているということです。

外から中の様子はうかがえず、捜査員がインターフォンを使って定期的にやり取りを続けていますが、男からの具体的な要求はないということです。

また、女性からは「はい」や「いいえ」といった単語しか返ってきていないということです。

2人ともブースからは一度も出てきていないということで、警察は18日昼前に軽食と飲料水を差し入れました。

これまでのところ、女性がけがをしているという情報は入っていないということです。

過去の人質立てこもり事件

人質を取って立てこもる事件は過去にも相次いでいます。

このうち去年4月には、福岡市のうなぎ店の30代の元従業員が店主の娘2人を人質に取り、およそ6時間にわたって包丁を持って店内に立てこもりました。元従業員は警察官の説得に応じて監禁などの疑いで逮捕され、娘2人のうち1人が手や首にけがをしました。

また、去年1月には島根県出雲市の運送会社に20代の男が刃物を持って押し入り、女性従業員を人質に取っておよそ18時間にわたって立てこもる事件がありました。女性は無事解放され、けがはありませんでした。

さらに、4年前の2017年にも東京 浅草のマンションの部屋で刃物を持った20代の男が住人で元交際相手の母親を人質にして立てこもる事件が起きています。

警視庁 元捜査1課長「人質救出を最優先 時間はかかる」

立てこもり事件など、数々の凶悪犯罪の捜査や指揮にあたった警視庁元捜査1課長の久保正行さんは「警察としては、人質になっている被害者の女性を無事に救出することを最優先に考えて対応にあたるので、これくらい時間がかかっていることはありえることだ。救出を焦ってしまうと人質に危害が加えられるおそれもあるため、手順を慎重に検討していると考えられる」と話しています。

また「ネットカフェの個室は窓がなく出入り口も1か所で、さらに鍵がかけられていれば、日頃から訓練を重ねている捜査員でも、すぐに突入することは難しい。ネゴシエーターと呼ばれる警察の担当者が犯人と何度も話をして関係を構築し、できるかぎり説得による事件解決を考えているのではないか。突入する場合でも、どれだけ時間を要するのか犯人をどのように制圧するのかなど、さまざまな想定をして準備をする必要がある」と話しています。

そのうえで「立てこもった場所や言動からも、金銭目的などは考えにくく、動機について今後の捜査できちんと解明することが必要だ。また、再発防止のために、女性従業員が巻き込まれた経緯やネットカフェの構造などについても、詳しく検証することが重要だ」としています。