旭川医科大学 学長 辞任の意向 コロナ感染者受け入れ問題など

北海道の旭川医科大学の学長が、新型コロナウイルスの感染者を大学病院で受け入れるよう進言した当時の病院長に辞任を迫ったことなどをめぐる一連の問題で、学長がNHKの取材に対し、辞任する意向を明らかにしました。代理人の弁護士は、大学の学長選考会議による解任の審査の進め方に不信感を示したうえで「これ以上大学に混乱を招くことは好ましくない」と理由を説明しました。

旭川医科大学の吉田晃敏学長は、大学病院の当時の病院長が感染者を受け入れるよう進言した際に「受け入れるならやめて下さい」と辞任を迫る発言をしたと、大学の調査委員会が認定したほか、クラスターが発生していた民間病院について「コロナをまき散らして」と発言したことなどが明らかになっています。

現在、大学の学長選考会議が解任すべきかどうかの審査を進めていて、吉田学長は17日、NHKの取材に対し「退官する」と述べて、みずから学長を辞任する意向を固め、すでに文部科学省に辞表を送ったことを明らかにしました。

17日午後、学長の代理人を務める弁護士が会見し「文部科学大臣宛てに、きょうをもって学長を辞任する旨の届け出をした」と述べました。

そのうえで「学長選考会議は、解任の結論ありきで強引に審議を進めていると考えざるをえない。司法の場で争うことも検討したが、大学にも混乱を招くと考え、身を引く決意をした」と説明しました。

吉田学長は旭川医科大学の1期生で、卒業生として初めて平成19年に学長に就任し、これまで14年間という異例の長期間にわたって学長を務めています。