飲食店の酒類提供 要件満たせば午後7時まで 知事判断で制限も

緊急事態宣言の解除に伴い、政府は新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、まん延防止等重点措置に移行した地域では、一定の要件を満たした飲食店で酒類の提供を午後7時まで可能とした一方、地域の感染状況に応じ、知事の判断で制限することを可能とする方針などを盛り込むことにしています。

政府が検討している新型コロナウイルス対策の基本的対処方針の変更案では、緊急事態宣言が解除される地域でも、感染対策の緩和は段階的に行い、必要な対策は「ステージ2相当」以下となるまで継続するとしています。

そのうえで、まん延防止等重点措置の適用地域の飲食店に対し、午後8時までの営業短縮を引き続き要請するほか、酒類の提供については、一定の要件を満たした飲食店で午後7時まで可能としています。

一方で、要件を満たさない店舗には酒類を提供しないよう要請することや、地域の感染状況に応じ、知事の判断でさらに制限できるとし、要請に応じている店舗との公平性を保つことができるよう、特別措置法に基づく命令や過料など適切な運用を図るよう求めています。

また、カラオケを提供する飲食店については、当面、利用の自粛を要請し、緩和するかどうかは、地域の感染状況やワクチン接種の状況を踏まえ、知事の判断で行うとしています。

さらに、デパートなどの大規模施設は、知事の判断で営業時間の短縮を要請するほか、入場整理についても働きかけを行うとしています。

イベントの開催をめぐっては、緊急事態宣言や重点措置の解除後、1か月程度の経過措置として、主催者に対し、1万人を上限とすることや、地域の感染状況を踏まえ、知事の判断で開催時間の制限を要請するなどとしています。

職場への出勤については、出勤者数の7割削減を目指すことも含め、接触機会の低減に向けて、在宅勤務やローテーション勤務を強力に推進するよう求めています。

ワクチン接種をめぐっては、自衛隊が運営する大規模接種センターの活用をはじめ、大学を含め職域接種を実施することで、接種の円滑化や加速化を進めるとしています。

水際対策をめぐっては、今後も新たな変異ウイルスが発生しうることを見据え、機動的に強化措置を講じるとしています。

一方、職場などでの感染対策を徹底するため、政府と都道府県が二酸化炭素濃度の測定器の設置を支援するほか、営業時間の短縮要請に応じた事業者への協力金を迅速に支給するため、都道府県の体制を強化するとしています。

さらに、飲食店などで感染者と接触した場合に追跡できるようにするため、政府がQRコードの活用を検討するとしています。

加藤官房長官 「実効性のある措置を講じていく」

加藤官房長官は、午前の記者会見で「この間、長きにわたって、いろいろご負担をしていただいていること、まちの中の状況や国民の状況を考えながら、やはり実効性のある措置を講じていく必要があるという判断だ。特に夜間における滞留人口の増加が感染につながるという指摘もあり、そこをどう抑えていくのかも踏まえて、午後8時までで飲食店は閉めていただく。その間、午後7時までのしっかりと防御しているところは酒類を提供していただく。こういう対応をすることで、実効ある措置ということで対応していきたい」と述べました。