緊急事態宣言の期限迫る 厚労省の専門家会合が各地の状況分析

緊急事態宣言の期限が今月20日に迫る中、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、感染や病床のひっ迫が依然深刻な沖縄県などの状況や、東京都や大阪府など各地の人出の増加が今後の感染状況に及ぼす影響などについて分析が行われました。

専門家会合では、感染や病床のひっ迫が依然深刻な状況が続く沖縄県や、人出の増加で感染の減少傾向が鈍化する東京都など、今月20日に緊急事態宣言の期限が迫っている各地の状況について分析が行われました。
会合で示された資料によりますと、
新規感染者数は、14日までの1週間では前の週と比べて、
全国では0.73倍と引き続き減少傾向で、
緊急事態宣言が出されている地域では、
北海道は0.54倍、
愛知県は0.62倍、
京都府は0.85倍、
大阪府は0.74倍、
兵庫県は0.60倍、
岡山県は0.43倍、
広島県は0.61倍、
福岡県は0.58倍、
沖縄県で0.62倍と、
減少傾向が続く一方、
東京都は0.90倍で減少のスピードが鈍り、横ばいに近づいています。
現在の感染状況を、
人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数でみると、
沖縄県が66.00人と唯一、
感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えていて、
山梨県で20.22人、
東京都で19.13人、
北海道で17.28人と「ステージ3」の目安の15人を超えています。

全国では9.78人となっています。

会合では、東京都や大阪府で人出の増加傾向が続いていることによる今後の感染状況への影響や、ワクチン接種の進み具合、さらに、国内でも拡大が懸念されるインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の状況についても分析が行われました。

詳しい分析結果について、記者会見で脇田隆字座長が説明する予定です。

田村厚労相「下げ止まり状況も 対応徹底を」

厚生労働省の専門家会合で、田村厚生労働大臣は、各地の感染状況について「沖縄は新規感染者数が厳しい状況だが、減少してきており、北海道も札幌市は特に高い水準だが、減少は継続している。一方、首都圏では、千葉、神奈川は、下げ止まりの状況が見えてきていて、東京も人流が非常に増え、来週あたりには、下げ止まる状況が出てくることが予想される」と指摘しました。

そのうえで「緊急事態措置の状況下でも、酒を出す飲食店が出てきており、リスクの高い行動を取れば感染が拡大するので、いろんな対応を徹底していかなければいけない」と述べました。

加藤官房長官「専門家の意見踏まえ 総合的に判断」

加藤官房長官は、午前の記者会見で「本日、厚生労働省の専門家会合が開催されており、直近の感染状況について専門家による評価・分析が行われているところだ。緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の取り扱いは、評価・分析を踏まえながら、基本的対処方針にのっとり、専門家の意見も踏まえて総合的に慎重に判断していく。また政府としては、引き続き強い警戒感を持って感染状況を注視し、それぞれの地域で感染防止の対応がしっかり図られるよう自治体とも緊密に連携していく考えだ」と述べました。